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2019年9月20日 (金)

文在寅という災厄/武藤正敏

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 文在寅政権はもはや「災厄」だ。韓国国内を分断し、国民の生活をますます困窮させ、北朝鮮を温存させ、その脅威の高まりを許すばかりか、日韓関係を破壊し、北東アジアの安全保障をいたずらに混乱させながら、自分自身はそれが「正しい理念」の実践であり、戦いであると信じている。

現在の日韓関係が抱えている問題は、「韓国は常に正しく、日本は謙虚にそれに従うべし」、いわば「議論の余地なし」という文在寅政権側の姿勢にあると著者はいう。

著者は前著『韓国人に生まれなくてよかった』で「文在寅大統領は経済オンチ」「理性よりも感情で動く韓国人の悪い面が出てしまった」、「文在寅大統領の頭の中には北朝鮮のことしかなく、外交安保も経済政策も知らないポピュリスト」、「その政策は失敗し、やがて反日政策に転じてくるだろう」と述べているが、それが今起こっている。

文在寅政権は、日本にとって事実上「準同盟国」だった韓国を、残念ながら「準敵国」と捉えてもおかしくない存在にした。

日韓関係だけではない。韓国国内の問題に対しても、文在寅氏はよく似たリアクションを見せる。

経済情勢が悪化しても、米朝交渉が暗礁に乗り上げても、それを指摘し、批判する勢力をすべて「革命政権を邪魔している存在」と見なす。

だから、相手にする必要がないと考える。

むしろ、「あなたがたが謙虚になり、態度を改めよ」と繰り返し、暗に反対勢力への制裁をちらつかせる。

よく言えば、理念優先、悪く言えば独善的で、合理的思考は常に後回しである。

著者は文在寅政権の特徴を5つ挙げている。

第1に、現実無視

文在寅政権は、明白に起きている現実を把握することができないか、把握するつもりがそもそもない。

見たいことしか見ず、見たくないことは無視してしまう。

どうかすると、現実を提示する者を批判さえする。

第2に、二枚舌

時と場合において言うことが違う、あるいは矛盾する。

しかもそれを認めないか、認識する能力がないのか、日本とは「未来志向で」と言いながらそうした対応をしない。

第3に、無謬性と言い訳

間違いや責任を認めようとする気がなく、むしろ意固地になる。

言い訳と付け焼き刃的な策で状況は悪化するばかり。

第4に、国益無視

国益のために政策を考えているのではなく、「革新」政権の持続性を最優先している。

政策はそのための道具に過ぎない。

第5に、無為無策

現実に即していないため、問題を認識できず、認識しても相対化できないため、有効な改善策を考えられない。

以上である。

とはいっても、この政権と後2年以上付き合わなければならない。

著者は、ここまで国民感情がもつれあい、「譲る」「協力する」という言葉に現実味が感じられないいま、むしろ、ある意味ドライに「利用」しあうという感覚から始めればいいのではないかという。

韓国でよく使われる「用日」という言葉がある。

韓国の国益になる限り日本を利用し、利用できる限りにおいて感情は入れず冷静に付き合っていく、といった意味である。

日本人にはあまり響きのいい言葉ではない。

しかし、「用日」で大いに結構ではないだろうか。

その代わりに日本も韓国の利用できるところは利用する「用韓」でいく。

こうしたドライな付き合いが日韓関係を正常に戻すのではないだろうか。

と述べている。

もう日本も韓国も、互いを特別な国同士として考えるのをやめればいいだけだ。

感情的な対立を理由に現実利益を損なうくらいなら、合理性に立脚して、ビジネスでも安保でも、利用すればいいわけだ。

そして、隣国であり、地政学リスクを共有して経済構造も年々補完的になっている日韓両国には、まだお互いに十分「利用価値」がある。

そのようなスタンスでお付き合いすることがベターではないかと思う。

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