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2019年9月15日 (日)

自省録/マルクス・アウレーリウス

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 君は三つのものから成っている。すなわち肉体、息、叡智である。このうち最初の二つは、君がその面倒を見てやらなくてはならないというかぎりにおいて君のものである。しかし真の意味ではただ第三のもののみが君の所有物である。


マルクス・アウレーリウスはローマ帝国の皇帝という地位にあって多端な公務を忠実に果しながら彼の心はつねに内に向って沈潜し、哲学的思索を生命として生きていた。

組織立った哲学的研究や著述に従事する暇こそなかったけれども、折にふれ心にうかぶ感慨や思想や自省自戒の言葉などを断片的に書きとめておく習慣があった。

それがこの『自省録』として伝わっている手記である。

マルクス・アウレーリウスは学識に長け、良く国を治めた事からネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌスに並ぶ五賢帝と評された。

対外政策ではパルティアとの戦争に勝利を収めたが、蛮族への予防戦争として始めたマルコマンニ人、クアディ人、サルマティア人などへの遠征は長期戦となり、国力を疲弊させ、自らも陣中で没した。


プラトーンは哲学者の手に政治をゆだねることをもって理想としたが、政治家としての彼は必ずしもうまくいってなかったように感じる。

理想と現実は違うということであろう。

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