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2019年9月10日 (火)

なぜ危機に気づけなかったのか/マイケル・A・ロベルト

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 リーダーは、ハンター(狩人)になって、組織に大きな危機をもたらす可能性のある問題を、積極的に探さなければならない。問題が自分のところまでやってくるのを待っていてはいけない。


いま書店に行くと、問題解決の書籍であふれている。

しかし、一番大事なのは問題を発見すること。

何が問題なのか?これが明確にならないと解決などできない。

問題発見のスキルを磨くことで、組織に大惨事をもたらしかねない脅威を、あらかじめ阻止することができる。

組織の機能停止や崩壊は一瞬で起こるものではなく、徐々に進行するものだ。

リーダーが問題発見するためには7つのポイントがある。

第1に、情報のフィルターを避けること。

リーダーのまわりの部下たちは情報にフィルターをかけることがある。

この事実を認識しなければならない。

彼らはリーダーの貴重な時間を無駄にしたくないため、たいていは善意によって、フィルターをかける。

ときには悪いニュースをフィルターにかけ、撥ねてしまう。

問題を発見するには、こうしたフィルターを避けなければならない。

第2に、人類学者のように観察すること。

リーダーは、自然な環境の中で人々の集団を観察することを学ばなければならない。

いわば人類学者になるのである。

人に質問するだけでなく、その行動を見守らなければならない。

というのも、人の発言と行動は一致しないものだからだ。

第3に、パターンを探し、見分けること。

優れた問題の発見者は、問題のパターンを探し、見分けることができる。

過去の個人的な経験や組織としての経験をチェックする方法を身につければ、問題を人より早く見分けられるようになる。

第4に、バラバラの点を線でつなぐこと。

一見バラバラの情報の断片の中から「点をつなぐ」能力を磨かなければならない。

危機の兆候はあちこちに散らばっていることが多い。

細切れの情報をたくさん集めて、やっと組織の抱える問題が見えてくるのだ。

第5に、価値のある失敗を奨励すること。

優れた問題発見者になるには、部下にリスクを取ることを促し、失敗から学ぶ方法を教えなければならない。

失敗の中にも有益なものがあるからだ。

それは学習と改善の機会となる。

リーダーは、有益な失敗とその他の失敗を区別しなければならない。

第6に、話し方と聴き方を訓練すること。

リーダーは自分自身のコミュニケーション能力だけでなく、組織全体のコミュニケーション能力も磨かなければならない。

部下に率直かつ効果的な話し方を教え、組織のあらゆる階層のマネジャーに、懸念を伝えたり、問題を指摘したり、社会通念に異論を唱える部下にうまく対応したりする方法を教える必要がある。

第7に、行動を振り返り、反省のプロになること。

スポーツチームの偉大なコーチや監督は、過去の試合や演技の録画を見て、自分のチームの問題だけでなく、ライバルが抱える問題からも教訓を得る。

リーダーは、反省し見直すことに熟達し、新たな行動を効果的に練習する方法を考えなければならない。

以上の7つのポイント、リーダーの心得として押さえておきたいものである。

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