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2019年10月25日 (金)

会計士は見た!/前川修満

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 キーエンスの有価証券報告書(2014年度)を取り寄せて、これらの情報を閲覧してみました。平均年齢35.6歳平均勤続年数11.8年、平均年間給与1647万円(うーん、驚異的だ)と筆者は嘆息せざるをえませんでした。


企業の有価証券報告書は誰でも見ることができる。

そしてそれを見ると、様々なことが見えてくる。

キーエンスという会社がある。

驚きなのは社員の平均年間給与が1647万円ということ。

どうしてこんなに利益を上げることができるのか。

カギはファブレス経営にある。

ファブレスというのは、Fabrication(製造)Less(ない)の略で、工場を持たないということ。

同社は、製品の開発、企画、設計を行うものの、自社では製品製造のための生産設備を持たず、製品は協力会社からの提供を受けて調達するという形態をとっている。

日本の企業では、キーエンス以外では、任天堂、セガ、伊藤園、ダイドードリンコなどがファブレスの会社として知られている。

キーエンスは、「自社工場の稼働率を意識せざるを得ない開発では、発想が限られる」と考えるがゆえに、ファブレスにして、自由で主体性のある商品開発をしている。

キーエンスは創業以来、直販制度のもとで従業員の半分以上が営業に従事している。

その営業職たちが売っているのは、モノではなく、「問題解決のアイデア」。

モノではなく、問題解決を売ることにすれば、経営者も工場設備の稼働率の悩みから解放される。

これは超常識の発想だ。

キーエンスの戦略は、オーダーメイドの紳士服の注文をうけて、その顧客に既製品の紳士服を提供するようなものだと言える。

これまでの製造業は、モノを作って売るという発想が根底にあった。

しかしながら、モノを作るということ自体には、実はさほどの価値はないのかもしれない。

それよりも、顧客の企業経営に資する、または人々の生活に資する、ということに大きな価値がある。

その発想や問題解決のための思考こそが、価値の根源であるように思える。

もしかしたら、日本が「モノづくり」にこだわりすぎることが成長の足を引っ張っているのかもしれない。

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