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2019年10月14日 (月)

山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた/山中伸弥

Photo_20191012061501 iPS細胞から作った心筋細胞がドクッ、ドクッと波打つ様子をはじめて見たときの衝撃がぼくの脳裏に焼き付いています。もとは皮膚の細胞だったのに、心臓のように拍動していたのです。iPS細胞から作られたさまざまな種類の細胞を見ると、いまでも不思議な気持ちになります。

本書はiPS細胞でノーベル賞を受賞した山中氏の自伝とインタビューが掲載されたもの。

医学部生は卒業時、基礎医学に進むのか、臨床医になるのか、臨床医ならどの診療科に進むのか決めなければならない。

山中氏は結局、整形外科の臨床医になる道を選んだ。

そのときは、まさか自分が基礎医学の研究をすることになるとは夢にも思わなかったという。

ところが、その時の指導医の先生は、それまでの人生で出会ったどんな人ともくらべられないほど恐ろしかった。

まさに鬼軍曹。

その指導医に、研修期間の二年間ずっと「ジャマナカ」と呼ばれていたのだという。

整形外科の主な仕事は、手術をすること。

山中氏も研修で手術を任せられたことがある。

うまい人なら20分で終わるところ、2時間かかった。

整形外科の臨床医を目指す者にとって手術を満足にこなせないというのは、大きな弱点。

無力感にさいなまれる。

次第に自分は整形外科医に向いていないんじゃないか、一人前の臨床医になれないんじゃないかと悩むようになる。

しかし、ここで壁にぶつかったことが、研究者という新しい道につながった。

振り返ってみれば、この時の挫折がiPS細胞発見につながったのだから、面白い。

山中氏の好きな言葉の一つに「人間万事塞翁が馬」があるという。

まさにその通りの人生。

あきらめなければ道は開けるということではないだろうか。

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