「儲かる会社」の財務諸表/山根節
数字は切れるナイフである。企業の内部に入り込んで数字を調べれば、ほとんどの実態がわかる。しかしだからこそ企業は、外部者に数字を見せたくない。むしろ隠したがる。したがって会計は全体像を映しとるツールだが、情報開示(ディスクロージャー)の壁にぶつかる。しかしそんなときに欠かせないのが、われわれの想像力である。
会計の本質は「経営の全体像を写像化する情報ツール」ということである。
会計は、経営を総合的、包括的かつ統一的にとらえる唯一のツールである。
企業会計の構造は、
事業スタート時点(期首)に、手元にあるストック資源のリスト=貸借対照表(BS)があり、
儲けを計算する書類=損益計算書(PL)があり、
そして儲ける活動の結果、残ったストックのリスト=期末のバランスシートを作る。
この繰り返しが経営活動である。
基本二表のBSとPLから何が読み取れるのだろうか?
次のようなことが読み取れる。
①儲けの構造がわかる
②戦略が読める
③時系列で並べれば、戦略の動きが読める
会計とリアリティを結ぶクセをつけると、無味乾燥に見える財務諸表が立体化し、企業経営の豊かな実像が現れてくる。
要は経営と数字を不可分にし、経営を数字と絡めて語ることが大事である。
大事な点は、アバウトにとらえるということ。
経営は総合的、大局的にとらえることが大事。
いきなりディテールから入って、すべてをわかろうとせず、大ぐくりでとらえることが大切である。
経営は言うまでもないが、奥が深くて幅が広い。
わからないものがたくさん出てきて当然である。
だからこそ、経営のすべてを事細かくわかろうとしても無理だ。
いい加減なトライが、勉強を長続きさせるということではないだろうか。
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