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2019年11月16日 (土)

総合商社/田中隆之

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 総合商社が日本に独自であるという事実は、ますます強まっている。前述のように、戦後成立した総合商社の「原型」に、韓国をはじめアジア諸国が追随し、類似の企業を育成しようとしたこともある。しかし、そこから転換した「総合事業運営・事業投資会社」はもはや他国の追随を許さず、特殊なビジネスモデルであると言えよう。そのいっぽうで、それは国際的にも認知されつつある。

総合商社は日本独自の業態として知られている。

戦後復興期や高度成長期の日本経済を牽引した企業群として、注目されてきた。

単なる貿易の担い手であるだけでなく、外務省顔負けの情報収集機能を持ち、プロジェクトのオーガナイザー機能や、資金調達力を生かした投資機能を駆使して高収益を上げる企業群として、世界の関心を集めた。

均質な構造を持つ総合商社が複数登場し、総合商社業界が形成されたのは戦後のことである。

1960年前後には総合商社の「原型」が確立したが、その後各社はオイルショック、円高不況、バブル崩壊などの困難を乗り越えながら、新しい事業分野への進出とビジネスモデルの変革を進めてきた。

同時に、リスク管理やガバナンスの体制を向上させ、その構造を大きく変化させた。

総合商社に起きている構造変化は「連結子会社を通した、多様な製造業・サービス業への進出」と「事業投資会社化」の二つである。

現在の総合商社は「総合事業運営・事業投資会社」ととらえられるべきである。

総合商社は日本経済の成長と深くかかわってきた。

総合商社の過去を学び、「次」を知ることは、今後の日本経済を占ううえで不可欠である。

また、総合商社が今世紀はじめに復活を遂げるにあたって行なった経営改革とビジネスモデルの変革は、多くの日本企業に〝気づき〟を与えるのではないだろうか。

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