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2019年11月21日 (木)

自分をコントロールする力/森口佑介

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 IQが重要であることは確かなのですが、最近のいくつかの研究から、実行機能は、IQよりも子どもの将来に影響を与える可能性があることが示されています。さらに、より重要なこととして、実行機能は、IQよりも、良くも悪くも家庭環境や教育の影響を受けやすいのです。

本書で実行機能と呼んでいる機能は、近年注目されるようになった「非認知スキル」といわれているものの中の一つ。

頭の良さとは、どれだけ知識を持っているのか、どれだけ速く問題を解けるのか、与えられた情報からどれだけ推測することができるのか、などを指す。

このような頭の良さは、専門的には「認知的スキル」と呼ばれる。

IQは、認知的スキルの典型的な例だ。

一方、目標のために自分をコントロールする力は、頭の良さとは直接的に関係しない。

認知的スキルとは異なる能力という意味で、「非認知スキル」と呼ばれている。

「社会情緒的スキル」とも言う。

非認知スキルには、自分をコントロールする力の他に、忍耐力、自信、真面目さ、社交性など、さまざまなスキルを含む。

非認知スキルの中の一つに実行機能がある。

更に、実行機能には、感情面を担う実行機能と、思考面を担う実行機能がある。

感情の実行機能は、目標のために欲求や衝動を制御する能力。

そして、思考の実行機能は、目標のために習慣やくせを制御する能力である。

両者ともに、幼児期に著しく発達し、児童期には緩やかに発達する。

実行機能の発達には、遺伝的要因と環境的要因の両方が関係するが、子どものときは環境的要因がより重要だ。

支援的な子育ては良い影響があり、極端な管理は悪い影響がある。

親の振る舞い、夫婦仲などの家庭の雰囲気も重要。

更に、睡眠やメディア視聴の方法、生活習慣も影響があるという。

そして、子どもの実行機能は鍛えることができる。

個別のプログラムとしては、ゲーム、運動、音楽、マインドフルネスなどがある。

また、幼児教育施設や保育施設に行くこと自体が実行機能を向上させる。

中でも、最も注目されているのは「心の道具」プログラムというものがあるという。

子供の時の環境がその後の人生を決定づける様々な能力が成長するというのはその通りなのだが、これが極端な方向に走ると、それはそれで問題になるのではないだろうか。

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