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2019年11月15日 (金)

共感の技術/杉原保史

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 考えるな Don't think!
 感じろ Feel!
 ──ブルース・リー 

映画『燃えよドラゴン』の中で、ブルース・リーは、弟子の少年に「考えるな、感じろ」と教えている。

このブルース・リーの教えは、カンフーの極意であると同時に、共感の極意でもあると著者はいう。

つまり、共感の最初のレッスンは「考えるな、感じろ」。 

私たちは、一瞬、一瞬のこの今の現実を生き、感じている。

にもかかわらず、「感じていること」にまったく注意を払わず、「考えること」に没頭し、アタマの中に作り出された観念の世界の中で生きていることが実に多い。

共感するという作業にとって、自分の意見は関係ない。

それが、「相手のための時間」ということであり、「相手中心」ということ。 

自分の「意見」が相手にとって重要なものになるのは、共感が成立した、その後から。

そのとき、自分の「意見」は相手にとって考慮すべき重要なものとなる。 

差しあたり、自分のの意見は脇に置いておいて、「どういうこと? 詳しく話してみて」と促してみる。

自分自身の評価や判断から離れ、それを放っておく。

そうして、ひたすら相手に注意を置き続ける。

そのように相手に注意を置いているときに感じられるもの、それが共感。

誰かに共感するためには、先入観に縛られずに相手をよく見る〝観察力〟、

相手の立場だったらどう感じるだろうかと想像する〝想像力〟、

自分が感じていることに注意を向けて感じ続ける〝注意のコントロール力〟、

感じたことを表現する〝表現力〟が必要。

「共感」は、常に「受容」とセットで実践される。

「受容」とは、ありのままを認めること。

相手のありようをありのままに受け容れること。

どんなに不合理だと思えても、間違っていると思えても、相手の思いや気持ちを、そのままに、ありのままに、受け容れること。

カウンセリングでは、聴き手は、穏やかに、ただ聴いているだけだ。

決して話し手の生活場面に出かけていって何らかの問題を解決してあげるわけではない。

薬を出すわけでもない。

マッサージやお灸などの施術をするわけでもない。

その意味では、ただ聴いているだけ。

しかし、それと同時に、ただ聴いているだけではない。

ただ観客席から観察しているだけではない。

話し手の人生における一人の登場人物として関わっている。

自分の心を、つまり感受性を、十分に活かすようなやり方で関わっている。 

「考えるな、感じろ」(Don't think! Feel!)

この域に達するにはかなり訓練を要するのではないだろうか。

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