本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR/奥田和広
私は、カリスマや天才にしかできない手法ではなく、一般人であるリーダーが再現できる仕組みはないものかと模索するようになりました。理想を持ち続けながら現実に成果をあげるリーダーのためのマネジメントの仕組みとしてたどり着いたもの、それがOKRです。
OKRという呼び名は、「Objectives and Key Results」の頭文字からきている。
その構成は非常にシンプルで、1つの「目的(O:Objectives)」と、2~5個の「重要な結果指標(KR:Key Results)」でできている。
OKRは、定量的な「重要な結果指標」に加え、定性的な「目的」を掲げることで、目的を常に意識させるような仕組みとなっている。
OKRには、どのような状態になれば「目的」を達成できたと言えるかを、数値で計測する「重要な結果指標」が含まれている。
「目的」は、「何を達成したいのか?」「どこに向かおうとしているのか?」を指し示すもの。
これに対して「重要な結果指標」は、「どのように『目的』を達成するのか?」「目標に近づいていることをどう把握するか?」に答えるもの。
「目的」達成につながる「重要な結果指標」をいかに選ぶかが戦略である。
「重要な結果指標」は「目的」達成につながるものでなければならない。
OKRは、その運用において、3か月ごとに「目的」を設定し直し、週1回の1on1など、高頻度でのフィードバックの実行が求めらる。
OKRには、1つの「目的」と3~5個の「重要な結果指標」に絞り込むことで、集中すべきことを明確にする効果がある。
従来の「目標管理」と違うのはObjectivesを目標ではなく目的と訳しているところ。
目標だけでは、社員の「何のために」に答えることができない。
目的を持つことこそが「わくわく」の源泉であり、普段以上の力を発揮させ、自分を成長させる重要な要素となる。
ワクワクすることを選ぶ。
これは、3か月間、1つのテーマに取り組むときの鉄則だ。
とはいえ、興味がわかない課題を与えられたり、素直に楽しめない仕事が降ってきたりすることも実際にはよくあるはずだ。
でも、そういうときこそ発想を変える必要がある。
その課題自体にとくに面白みはないように感じても、課題を解決したもっと先にある何かに目を向け、その先にどんな意味や意義があるのかを考えてみる。
結局のところ、「共通の目的」を、個人で達成するのではなく、他の人と「協力して達成を目指す」ことで「組織」となる。
個人では達成できないような大きな「共通の目的」を複数の人で協力して目指すことにこそ、複数の人が集まる「組織」をつくる意味がある。
組織を活性化する一つの手法として、考えてもよいのではないだろうか。
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