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2019年12月21日 (土)

新・臨床心理学事典/石川勇一

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 臨死体験は病的な幻覚ではないかという説もありますが、幻覚の場合は意識が混濁し、幻覚によって状態が悪化するのが普通であるのに対し、臨死体験の場合には意識が澄明で、論理的思考力も失われず、事後にはむしろ好影響を与えることが多いので、幻覚とは区別するのが妥当ではないか考えられます。

本書は「事典」と称している通り、臨床心理学について網羅的に記述したものである。

中でも興味深いのは臨死体験について記していること。

心理学者のケネス・リングは、死にかかって蘇生した人102名にインタビューを行い、48%にあたる49名が臨死体験をしていることを突きとめたという。

そして、臨死体験と年齢、性別、人種、教育程度、職業、宗教、信仰心などの関連性を調べてみると、なにひとつ相関がないという。

更に、臨死体験は、その後に体験者の態度・信念・価値観を大きく変化させるという重要な事後効果があることが分かっている。

もっとも多い変化は、死を恐れなくなること、内面的な宗教性の高まり、他者への受容性が増す、物質主義や競争主義的な傾向が弱まる、などだ。

キューブラ・ロスは臨死体験を語る患者にも数多く出会った。

死んだ両親に出会った人、事故で視力を失ったのに目が見えるようになった女性、存在を知らされていなかった生前に亡くなった兄に抱かれたと語る少女など、驚くべき逸話が数多くある。

さらに、キューブラー・ロス自身が、死者と出会い、対話をする体験をして、はじめは信じていなかった死後の生命を疑うことができなくなった。

キューブラ・ロスはその著書『人生は回る輪のように』のなかで語っている。

死は怖くない。

死は人生でもっとも素晴らしい経験にもなりうる。

そうなるかどうかは、その人がどう生きているかにかかっている。

すべての試練は、実際には神からの贈り物である。

それらは成長の機会であり、成長こそがいのちのただひとつの目的なのだ。

まず自分を癒さなければ世界を癒すことはできない。

今日は昨日したことに、明日は今日することによって左右される。

毎日が人生最後の日だと思って生きなさい。

・・・と。

勇気を与えてくれる言葉ではないだろうか。

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