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2019年12月29日 (日)

社長って何だ!/丹羽宇一郎

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 社長は「自分の器」以上に会社を大きくできません。社長の器が大きければ、それだけ大きな事業を考えるように思えます。

伊藤忠の社長を7年間務めた著者が社長業について述べているのが本書である。

社長といっても大企業の社長と中小企業の社長とは違う。

大企業の社長はいわゆるサラリーマン社長であって、順番で社長になり、数年勤めたら、次の人に譲る。

一方、中小企業の社長はほとんどがオーナー社長であって、会社が潰れれば夜逃げや首つりだ。

本気度が違う。

著者が「現場に足を運べ」と繰り返し言っているのも、大企業の社長の故であろう。

ただし、大企業の社長であろうと、中小企業の社長であろうと共通することがある。

それは社員の人生を左右するポジションについているということである。

社長の最大の仕事は、最大の資産である人間をどのようにして生かし、動かし、活用するかだ。

社員の雇用を守り、育成することこそが社長の務め。

それがひいては家族や地域、あるいは社会全体への貢献になる。

問題はそれをどのように進めていくかだ。

社長は現在の職場の実態から現行のシステム、社員の言動までを見据えて人材を育成し、組織を統括していく必要がある。

権限を委譲することも人材を育成する際のポイントだ。

志を高く持てるのは、自分に責任があると思うから。

人から期待の視線を一身に浴びるから自分を律して実行できる。

権限を与えられると、人はそれだけ張り切って働く。

場合によっては、能力以上の力を発揮する。

権限を与えられた人間が自ら考え、決断してゆくことで能力が磨かれる。

ひとつの仕事を完遂させ、報告させ、徹底的に任せる。

そうして経験を積ませる。

必要なのは、苦労の末に成功したときの達成感と充実感を一度体験させること。

経験上、これができる社長の会社は成長する。

「社長って何だ!」

苦労は多いが、この世で最もやりがいのある仕事の一つではないだろうか。

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