おもしろい伝え方の公式/石田章洋
ユーモアを身につけている人といない人では、長い人生に大きな差が生まれてくるはずです。なぜなら、ユーモアはコミュニケーションにおける最強の武器だからです。
著者は、「誰でもおもしろい話ができる伝え方の公式」が存在する、という。
シンプルな公式を理解して、それを応用すれば、誰でも「おもしろい伝え方」はマスターできる。
おもしろい伝え方をするために、無理にテンションを上げて話す必要はない。
むしろ普段はロー・テンションで構わない。
そして、言葉は意味を凝縮したうえで、短くすればするほど強くなる。
本書で紹介している笑いを生み出すためのシンプルな公式。
それは、空気を読む×笑いの原理×伝える技術
この3つだけである。
とにかく、「場の空気を読む」ことがすべての土台。
そのうえで「笑いの原理」を理解して、「伝える技術」を使って効果的に伝える。
空気が読めなければ、どれだけ本を読んでも、どんなテクニックを使ってもムダと言っても過言ではない。
なぜならコミュニケーションは基本的にアドリブだから。
「空気の流れ」とは、「どういう人たちが」、「なんのために」、「どこに向かっているのか」といった、目的や方向性のこと。
まずそこに集まっているのは、「どういう人たち」なのか。
それを見極める。
それを知っておけば、その集団内では、どういう価値観が共有されているのか、どんなことが常識とされているのかがわかる。
多くの場合、空気の流れは、その場でもっとも影響力のある人に配慮している多数派がつくり出している。
だれがどの程度の影響力をもっていて、それぞれの構成員がどんな役割を果たしているかを把握することで、空気の流れはかなり見えてくる。
だから、空気を読むために、もっとも必要なことは「観察力」。
今、話している相手はどういう人なのか?
なにを目的としているのか?
その話をどこにもっていこうとしているのか?
それを察知するには、その場を観察するしかない。
なぜなら、すべてのコミュニケーションにおいてもっとも大切なのは、「自分が相手にどう思われているか?」ではなく、「相手がどう思っているか?」だから。
空気を読むための観察力が高まれば、どんな相手と話す時でも、話題に困ることはなくなる。
「気を配る」とは、文字通り周囲を観察して〝気配〟を読むことにほかならない。
笑いで大切なのは「空気を読むこと」とは、言われてみればその通りなのだが、ぜひとも身に付けたいものである。
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