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2019年12月14日 (土)

マインド・コントロール/岡田尊司

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 マインド・コントロールの問題は、結局は自立と依存の問題に行きつく。そこで問われるのは、われわれがどれだけ主体的に生きることができるか、なのである。

マインド・コントロールという言葉で思い出すのは、オウム真理教や統一教会の信者である。

主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことが、マインド・コントロールの基本である。

マインド・コントロールされやすい要因は五つある。

①依存的なパーソナリティ

本人の要因として、重要なのは、パーソナリティの特性である。

中でも、マインド・コントロールをもっとも受けやすいのは、依存性パーソナリティとして知られるタイプである。

②高い被暗示性依存性

パーソナリティとともに、マインド・コントロールを受けやすい特性としては、被暗示性の高さが重要である。

被暗示性の高い人の特徴としては、(1)人の言葉を真に受けやすく影響されやすいこと、(2)信心深く、迷信や超常現象のようなことを信じていることも多いこと、(3)大げさな話をしたり、虚言の傾向があること、などが挙げられる。

③バランスの悪い自己愛

パーソナリティの特性として、近年重要性を増しているのが、自己愛の問題である。

不安定で歪に肥大した自己愛は、マインド・コントロールされる側の問題としても関与が深まっている。

④現在及び過去のストレス、葛藤

パーソナリティの特性や被暗示性の高さは、マインド・コントロールの受けやすさを左右する本人サイドの要因だと言える。

しかし、同じ人であっても、マインド・コントロールを受けやすいときと、そうでないときがある。

いつもの本人なら、餌食になることはないのに、どういうわけかその時は、マインド・コントロールのワナに陥ってしまったというケースが少なくない。

そこにかかわってくるのは、本人が受けているストレスの大きさや本人を支えているサポートの脆弱さである。

⑤支持環境の脆弱さ

周囲からの支えがあるときには、不当な支配や搾取をかわすことができる人でも、孤立し、安定した支え手が身近にいないと、相手をよく見極めずに助けを求めたり頼ったりしがちで、マインド・コントロールの餌食になりやすい。

以上の五つである。

マインド・コントロールされた状態にある人の最大の特徴は、依存性である。

完璧な形でマインド・コントロールが行われた場合には、すべては必然性をもったことであり、それに出会う幸運をもったのだと感じ、喜び勇んでその行動を「主体的に」選択するという。

いずれにしても、これらを悪用する、悪しきマインド・コントロールは、人道に対する犯罪行為だと言えるのではないだろうか。

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