HELLO,DESIGN/石川俊祐
デザイン思考とは、観察で得た主観を重視したアプローチです。「自分はなにをリサーチし、そこからなにを感じとり、どういう意味づけをほどこして、アイデアにつなげていくか」の思考法です。つまり、「あなたがなにをどう感じたか」の、主観がすべて。定量から定性へと頭を切り替えなければならないわけです。
デザインという言葉を聞いた途端、「自分には関係ない」と考えがちだ。
しかし、本当のデザイン思考は「クリエイティブ系」で働く一部の人のためのものでも、エクセレントカンパニーやベンチャー企業で働く人だけのものでもない。
もちろん、色やかたちといった、一般的な「デザイン」に関する話でもない。
これからの社会を、もはやロジックだけでは正解を導き出せない時代を生きるすべてのビジネスパーソンに必須の、「思考のメソッド」だ。
トップデザイナーたちが実践している思考法を抽出し、理論化し、それぞれの仕事に転用することによって、これまで誰も思い浮かばなかった、優れた答えを導き出す。
これが、デザイン思考の大枠だ。
英語の「デザイン」は動詞でもある。
その意味は、「設計する」「企てる」「目論む」。
つまりデザインという言葉は、もともと「アイデアを考える、企てる」といったニュアンスを持っている。
デザインの本質は「課題の発見とその解決」にある。
「人が持っている課題の本質を見つけ、その上でそれを解決するための新しいモノ、体験、システムなどをつくり出すこと」がデザインのもっともベースとなる概念だ。
デザインは「人が抱える課題」からはじまることが多い。
デザインとは問題解決であり、未来を描くものである。
人が抱えている課題を解決しようとアイデアを企てる人は、全員がデザイナーである。
と、著者は述べている。
これまで自分には関係ないと思っていた、デザイン思考というものが身近に感じられるようになる本である。
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