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2020年1月 6日 (月)

日本二千六百年史/大川周明

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 日本精神の数ある特徴のうち、その最も著しきものは、入り来る総ての思想・文明に「方向を与える」ことである。それ故に吾らは日本精神を偉大なりとする。そはまさしく一切の支流を合せてその水を大海に向わしめ、かつ之によりて己れを豊かならしむる長江大河の偉業である。吾らは先ずシナ思想及び文明と接触して之を吾有とし、次いで印度(インド)思想及び文明と接して之を吾有とした。亜細亜(アジア)精神の両極ともいうべきこれらの思想並びに文明は、実に日本精神によりて正しき方向を与えられたが故に、今日までその生命を護持し長養されて来た。シナ思想の精華、従ってシナ文明の根底は、孔孟の教えではないか。而してその教えが日本に活きてシナに死んだのだ。

本書の著者、大川周明氏は戦後、民間人で唯一のA級戦犯に指定され、東京裁判に臨んでいる。

東京裁判に出た大川氏は前席の東条英機の頭を何度も叩き、精神疾患を理由に免訴されている。

その前の五・一五事件では禁錮5年の判決を受けて服役している。

出所してからは日本精神の復興やアジア主義を核とする言論活動を展開し、昭和14年にそれらの集大成として本書、『日本二千六百年史』を上梓している。

内容はタイトルどおり、皇紀二千六百年の日本通史を記し、そこに通底する日本人の美質を讃え、最終章では全アジア復興を主張している。

上記抜き書きの部分も、日本精神の特徴を端的に指摘している。

確かに、日本は他国から入ってくる思想や文明をそのまま受け入れず、日本向きに昇華させ自国のものにするところがある。

本書を読むと、大川氏が大東亜戦争の理論的指導者と目された理由がよくわかる。

だからこそ戦後、米国は本書を発禁にしたのだろう。

 

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