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2020年1月 9日 (木)

告訴せず/松本清張

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 思ったとおり大井芳太は告訴できずにいる。派閥のボスである××大臣も心当たりがないと、大金を渡したのを否定している。だれも天に向かって唾する者はいない。選挙違反の疑いが明るみに出たら一大事である。警察で泥棒に、窃盗行為を秘密にしてくれと頼むのだから、世話はない。警察は頼まれたか、でなかったら、大臣の立場を考慮している。

選挙に出馬する義弟の不透明な資金3000万円を持ち逃げした木谷省吾。

黒いお金なので、持ち逃げしても告訴されることはない。

一度は大金を持ち歩いているということから警察に連行されるが、結局盗まれたと思われる代議士が否定したため、釈放される。

逃避行の間に温泉旅館の女中・お篠とねんごろな仲になり、彼女から、群馬県比礼神社の、農作物の出来高に関する占いがよく的中するという話を聞く。

木谷は占いに従い小豆相場へ投資、大儲けをする。

そして新しい人生を始めるため、さらに大きな利益を狙いモーテル経営を考え、投資するのだが、所詮は経営には素人のやること。

事業はうまくいかず、最後はお篠に裏切られ全てを失う。

最後、木谷は自殺する。

お金で人の幸せは買えないということではないだろうか。

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