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2020年1月29日 (水)

「家族の幸せ」の経済学/山口慎太郎

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 女性にとって子どもを持つ暗黙の費用が大きく上がったこと、結婚から得られる「分業の利益」が下がっていることが、未婚率が上昇している大きな理由だと、筆者は考えています。

少子化が問題になっている。

出生率の低下、未婚率の上昇、晩婚化等、原因はいろいろある。

例えば、戦後間もない1950年の50歳時未婚率はわずか1.5パーセントだった。

当時はほとんどすべての人が結婚していだのだ。

男性の50歳時未婚率は、2010年には20パーセントあまりに達した。

女性の50歳時未婚率は2010年には10パーセントほどに達している。

未婚率の上昇と並んで話題になるのは、初めて結婚する年齢の上昇、つまりは「晩婚化」についてだ。

1950年には、女性の平均初婚年齢が23.0歳で、男性は、25.9歳だった。

そこから次第に上昇し、2009年には、女性28.6歳、男性30.4歳へと、男女とも4歳以上、大幅に晩婚化が進んでいる。

子どもを持つことは大きな喜びである一方、経済的な費用を伴う。

そして、この費用、特に暗黙の費用は人によって大きく変わる。

高学歴でキャリアのある女性ほど、子育てによって暗黙のうちに失われる収入は大きくなる。

そうした女性が、子どもを持ちたいと思わない、ひいては、結婚したいと思わなくなるのも無理のないこと。

結婚し、子どもを持ちたいと思う女性にとっても、その子どもによって、自分のキャリアが犠牲になってしまうことは無視できる問題ではない。

仕事を始めてから十分な経験を積み一人前になる前に子どもを持つことは、自分の仕事を失うことにつながりかねない。

せめて、キャリアに対するダメージは小さなものに抑えたいと考えるのは当然のこと。

自身の仕事と家庭生活を両立させるために、出産とそれにつながる結婚を遅らせようと考える女性が増えてきたことが、初婚年齢の上昇に表れているのだろう。 

家族の幸せと経済の問題、いかにして両立させるのか?

大きな課題だといえるのではないだろうか。

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