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2020年2月19日 (水)

考えるヒント/小林秀雄

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 考えるとは、合理的に考える事だ。どうしてそんな馬鹿気た事が言いたいかというと、現代の合理主義的風潮に乗じて、物を考える人々の考え方を観察していると、どうやら、能率的に考える事が、合理的に考える事だと思い違いしているように思われるからだ。当人は考えている積りだが、実は考える手間を省いている。そんな光景が到る処に見える。物を考えるとは、物を摑んだら離さぬという事だ。画家が、モデルを摑んだら得心の行くまで離さぬというのと同じ事だ。だから、考えれば考えるほどわからなくなるというのも、物を合理的に究めようとする人には、極めて正常な事である。だが、これは、能率的に考えている人には異常な事だろう。


特にビジネスの世界ではスピードが重視される。

そのため、能率的に考えることが良しとされる傾向がある。

しかし、能率的に考えることの中に、かけるべき手間を省いていることが多い。

この事は、道徳の問題の上にもはっきり現れている。

みんな考える手間を省きたがるから、道徳の命が脱落してしまう。

良心というような、個人的なもの、主観的なもの、曖昧なもの、敢えて言えば何か全く得体の知れぬもの、そんなものにかかずらっていてはどんどん能率が下がってしまう。

だったら、そんなものは除外すればよい、となる。

多くの現代人はこうなってしまっている。

危険な傾向だと思う。

時には、答えの出ない問題を考え続けることが必要なのではないだろうか。

 

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