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2020年2月 3日 (月)

贖罪の奏鳴曲/中山七里

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「前にも言ったことがあるよな。後悔なんかするな。悔いたところで過去は修復できない。謝罪もするな。いくら謝っても失われた命が戻る訳じゃない。その代わり、犯した罪の埋め合わせをしろ。いいか。理由はどうあれ、人一人殺めたらそいつはもう外道だ。法律が赦しても世間が忘れても、それは変わらない。その外道が人に戻るには償い続けるしかないんだ。死んだ人間の分まで懸命に生きろ。決して楽な道を選ぶな。傷だらけになって汚泥の中を這いずり回り、悩んで、迷って、苦しめ。自分の中にいる獣から目を背けずに絶えず闘え」 

この小説の主人公、御子柴礼司は被告に多額の報酬を要求する悪辣弁護士。

彼は14歳の時、幼女バラバラ殺人を犯し少年院に収監されるが、名前を変え弁護士となった。

14歳の時の殺人は1997年に兵庫県神戸市須磨区で発生した当時14歳の中学生による連続殺傷事件、別名『酒鬼薔薇事件』を思い出す。

そのような過去を持つ弁護士が三億円の保険金殺人事件を担当する。

ストーリーはどんでん返しの連続で、結局依頼人が犯人だったということになるのだが、それ以上に印象に残ったのはこの弁護士のキャラだ。

彼が少年院に収監されていた時、担当する教官から言われたのが上記の言葉。

「外道が人に戻るには償い続けるしかないんだ」という言葉。

確かにそうなのだろう。

罪を贖うとはどういうことなんだろう?と考えさせられた。

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