« 詐欺の帝王/溝口敦 | トップページ | スタートアップ!/リードホフマン、ベンカスノーカ »

2020年2月29日 (土)

もしキリストがサラリーマンだったら/鍋谷憲一

Photo_20200224073201

「右の頰を打たれたら左の頰も差し出せ」という喩えは、暴力を振るわれても耐えよ、という意味ではありません。この「右の頰を打つ」というのは、右手の甲で相手の右頰をピチャピチャ叩きながら「ほれほれ、お前には何もできまい」という、相手を「侮辱」する動作のことなのです。つまり、その喩えは、他人を侮辱するような動作をする相手には、左の頰も差し出して、相手にその人自身の下品さを教えてあげなさい、という意味なのです。

本書は、長い間商社で働き、今は牧師として生きている著者の処世訓というべきもの。

サラリーマンとして経験した生々しい問題をキリスト教の聖書を教える側から取り上げると、どうしたらうまく対処できるかを説いている。

本書で取り上げているものは、どれも実際にありそうなエピソードだが、主人公は葛藤しながらも正論を貫いている。

しかしその正論は他者と比べての「正しい意見」ではない。

主人公の信仰に裏打ちされた、聖書を土台にした正論だ。

その正論は、腐敗や汚職にまみれた業界にただ罰を与えるだけではない。

その業界が利益追求ではなく、真に消費者の側にたった視点で会社運営をしていこうとする、変革に導く力を持っている。

日本のビジネスマンの弱点は聖書を知らないことだ。

聖書を知ることによって世界で起こっていることの本質が見えてくる。

そして人間関係の問題も、聖書を通してみると新たな解決策が見えてくるもの。

牧師の書いた本だが、経済小説としても面白く読むことができる。

« 詐欺の帝王/溝口敦 | トップページ | スタートアップ!/リードホフマン、ベンカスノーカ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事