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2020年3月15日 (日)

「松本清張」で読む昭和史/原武史

Photo_20200310081601  清張の推理小説には、重要なトリックが事実に基づいているという特徴があります。フィクションの中にノンフィクションの要素がある。

清張の本は10冊以上読んでいる。

今でも時々読みたくなる。

清張の本の特徴は、いちばん重要なトリックの部分が事実に基づいているということ。

小説でありながら、ある種ノンフィクションの要素が混じっている。

例えば、『点と線』はフィクションだが、東京駅のホームの位置関係などはすべて事実に基づいている。

小説の最後に、交通機関の時間は「昭和32年のダイヤによる」と断り書きがあるように、17時57分から18時1分までの4分間は13番線から15番線が見通せるということも、当時のダイヤからすると事実だ。

更に清張の小説は今でも2時間ドラマの原作として事あるごとに取り上げられる。

清張の小説はなぜ古びないのか。

それはやはり、人間が抱えている心理や欲望というものは根本的に変わっておらず、男女の性別を超えて読者が登場人物に感情移入できる余地が残っているからだと思う。

本書を読んでいて、また清張の小説を読みたくなった。

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