« 現場の会計思考/安本隆晴 | トップページ | 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則/本田哲也 »

2020年5月 6日 (水)

ハウ・トゥアート・シンキング/若宮和男

Photo_20200501062401

 アート・シンキングとは一言で言えば、「ちがい」を生み出す思考法です。そしていまアート・シンキングが求められている背景には、時代のパラダイムの変化があります。

市場の成熟と飽和によって、価値のパラダイムが変化した。

これを「工場」パラダイムから「アート」パラダイムへの変化と著者は呼んでいる。

工場では「おなじ」が価値だ。

たくさんおなじ製品をつくれるのがよい工場であり、一方で「ちがい」が生まれるとそれは不良品とされ、欠陥として扱われる。

「ちがい」をなるべく減らして「おなじ」をなるべくたくさんつくるため、「工場パラダイム」ではシステムや組織もそのように設計されている。

マニュアル化、そして自動化。

「仕事は属人化するな」と言われ、いつ誰かがいなくなっても、人が入れ変わっても「おなじ」ものがつくれる仕組みがつくられた。

勤勉で同質性の高い日本人はとりわけ「おなじ」化が得意だったので、最速で成功し「ナンバーワン」になることができた。

ところが、市場の飽和と供給過多によって、価値の源泉は「おなじ」から「ちがい」へと180度転換した。

「工場」パラダイムとはまったく反対に、「アート」パラダイムでは「ちがいが価値で、おなじは悪」だ。

なにがアートの価値を決めるのか? 

アートの価値とは「ちがい」だ。

アートは徹底して「ちがい」をつくる。

アーティストは常に「ちがい」のある作品をつくり、またそれを鑑賞する人によっても作品の解釈には「ちがい」が生まれる。

ロジックやデザインとはちがい、アートは「おなじ」を増やさず、「ちがい」を増やす。

成熟と飽和の時代にはもはや「おなじ」は価値ではなく、「ちがいが価値でおなじは悪」になった。

「工場」から「アート」へと価値のパラダイムが変わり、「ちがい」が求められるようになった。

このことを経営者は知るべきだろう。

« 現場の会計思考/安本隆晴 | トップページ | 戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則/本田哲也 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事