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2020年5月11日 (月)

国のために死ねるか/伊藤祐靖

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 特殊部隊員に必要なのは、覚悟でも犠牲的精神でもない。任務完遂に己の命より大切なものを感じ、そこに喜びを見いだせる人生観だ。

自衛隊というものは、自己完結型の組織である。

震災のようにインフラが打撃を受けたような場所においてでも、自分たちだけで活動ができる。

輸送、通信、炊飯、補給、経理、医療等々、直接戦闘行動に関係のない職種も多く保有しているからであり、彼らなくして継続的な戦闘行動は不可能である。

そういった自衛隊の中でも、敵陣に入り込み、孤立無援の状態でも自己完結して、作戦行動をとることができる部隊がある。

それが特殊部隊である。

だから特殊部隊員は、戦闘行動に関係の無い通信、医療等もこなせなくてはならないし、戦闘行動に関係するものは、すべてパーフェクトにできなければならない。

さらに、敵の支配地域を少数で行動するため、作戦の主軸を奇襲にゆだねる場合が多く、よって、パラシュート降下、レンジャー行動、スクーバ潜水等の高度な機動能力も不可欠となる。

そのような特殊部隊員に必要なのは、任務完遂に己の命より大切なものを感じ、そこに喜びを見いだせる人生観だという。

どんなに美しい言葉で飾ったところで、軍事作戦とは、国家がその権力を発動し、国民たる自衛官に殺害を命じることだ。

また、同時に殺害されることをも許容させる行為なのである。

ゆえに、権力発動の理由が「他国とのおつきあい」や「××大統領に言われたから」などというものであってはならない。

たとえ同盟関係があろうとも、軍事作戦発動の根底にある目的は、日本の国家理念に基づくものでなければならない。

特殊部隊員に一度しかない人生を捨ててまで守っていただくのであれば、守る対象にその価値があってほしいし、自分の納得のいく理念を追求する国家であってほしいと著者はいう。

国の在り方が問われているのではないだろうか。

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