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2020年6月16日 (火)

みんなでつくるAI時代/伊藤恵理

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 わたしたちの社会にシンギュラリティがやってくるのではなく、わたしたちの選択が、社会にシンギュラリティをもたらすのです。

シンギュラリティは、日本語で「技術的特異点」と訳されている。

これは、テクノロジーが急速に進化し、それによって人間の生活が後戻りできないほどに変容するぐらい、甚大な影響をおよぼす技術的革新のこと。

そして、近い未来に、それがやってくるという。

だからこそ、人にしかできない仕事は何かを知る必要がある。

数学者の新井紀子氏は、著書『コンピュータが仕事を奪う』で、人間にできてコンピュータにできない仕事は、「抽象化作業」だとまとめている。

これは、「誰もが暗黙のうちに知っているけれど言語化されていない何か」を見つけて言語化する仕事。

たとえば、夜空を見上げて「月は落ちてこないのに、どうしてりんごは地面に落ちるのか?」と考え、「もしかして、月も地球に向かって落ちてきているのではないか?」と想像する力は、コンピュータにはない。

こんなふうに、モヤモヤした現実から問題を見つけ、解決策を見出だす力は、今の仕組みのコンピュータにはない。

歴史を見ても、偉大な科学の発見や発明は「ひらめき」から生まれている。

たとえば、ニュートンの万有引力の法則やアインシュタインの光速不変の原理などは、常識を覆すひらめきから生まれている。 

このような「観察→ひらめき→仮説」の思考プロセスを、アブダクションと呼ぶ。

モヤモヤと複雑な現実世界を観察し、解くべき問題を見出して、仮説を立てるときに使う推論だ。

ニュートンは、りんごが樹から落ちるのを見て万有引力が働くという仮説を立て、ローウェルは、天文台から火星の表面を観察して運河があると仮説を立てた。

コンピュータは、言語化された問題が与えられれば、それを解くことはできるが、解決すべき問題を自分で見つけることはできない。

コンピュータは人間に与えられた「枠」の中でしか能力を発揮できまない。

これが人間とコンピュータの明確な違いだ。

でも、私たちの周りにも、規則に従って働くだけで、前例がないと判断ができないは社員いないだろうか。

そんな、想像力のない社員の仕事が、どんどんコンピュータに奪われていくのは止めることはできないだろう。

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