トヨタ仕事の基本大全/(株)OJTソリューションズ
トヨタでは真因に迫るために、「なぜ」を繰り返して要因を絞り込んでいきます。
2回や3回の「なぜ」で真因が見つかるケースもありますが、問題解決に慣れていない人は、真因に到達していない段階で、「これが真因だ」と決めつけてしまいます。
4回、5回としつこいほど「なぜ」を繰り返すことによって、真因に迫れるようになるのです。
トヨタで問題の真因を突き止めるために「なぜを5回繰り返す」のは有名だ。
例えば、若手の営業担当の50%が1年以内に辞めてしまうという問題があった場合、
(なぜ❶)なぜ、辞めてしまうのか……営業部内で浮いた存在になってしまうから
(なぜ❷)なぜ、浮いてしまうのか……売上ノルマを達成できないから
(なぜ❸)なぜ、達成できないのか……自己流で営業をしているから
大抵はここでストップしてしまう。
すると、「自己流で営業をしている」ことが真因だと考え、「上司や先輩がサポートする」といった対策になうりがちだ。
では、上司や先輩にサポートするように頼だら、若手の営業担当の成績は改善するのか。
そうはならない。
上司や先輩の間にも力量差があるからだ。
つまり、「自己流で営業をしている」は真因ではなかったということ。
だから、続けて、4回目、5回目の「なぜ」を続ける必要がある。
(なぜ❹)なぜ、自己流になるのか……誰も体系的な手法を教えられないか
(なぜ❺)なぜ、教えられないのか……営業手順の「標準」がないから
営業手順の標準がないことが、真の要因であれば、「営業手順の標準をつくる」という対策をとれば、誰でも営業手法を新人に教えられるようになる。
新人の頃から「なぜを5回繰り返す」ことを教えられるトヨタ。
こうやって強い現場が作られるのだろう。
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