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2020年6月 6日 (土)

なぜカリスマ経営者は「犯罪者」にされたのか?/須田慎一郎

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 朝日新聞は腐っても検察の身内です。世の中に一定の影響力がありますから、リークするなら朝日という空気感が検察内にはあります。また、朝日は決して法務・検察を批判しません。この両者はいまだにメディアを使えば情報統制できるという昭和のイメージが続いています。

かつて検察には「巨悪」に立ち向かう、唯一にして絶対の存在、というイメージがあった。

「ロッキード事件」「リクルート事件」などはまさにそのようなイメージである。

検察にとっての成功とは、しかるべき悪人をしかるべき罪で立件し、公判を維持して有罪まで持ち込むこと。

そのためにはマスコミに現場を荒らしてほしくないという状況がある。

一方、検察はマスコミと持ちつ持たれつという関係だ。

時としてマスコミの協力を仰ぐこともある。

「巨悪を追及」し、「時代の要請」によって「時代にけじめをつける」。

その手段が国策捜査である。

これが戦後の経済事件を手がけるなかではっきり明確になってきた。

これが政治汚職から経済検察化していった検察の歴史だ。

例えば、ライブドアによるニッポン放送買収事件。

この事件でホリエモンは〝犯罪者〟となり、日本経済界から追放されてしまった。

検察からすれば、ホリエモンように欲得にまみれて額に汗せず濡れ手で粟でカネ儲けしている連中は許せない。

そんな感情があったとしても不思議ではない。

この正義感こそが特捜部の事件化するうえでの動機だ。

事件化するうえでは、ある意味で理屈づけと世論の後押しが必要。

では世論は何によって形成されるのか。

それはやはりマスコミ報道である。

つまりマスコミの協力や支援なくしては、いかに特捜部といえども、国策捜査を進めていくには心もとない。

起訴や有罪に持っていけるかどうかにさえ直結していく。

逆にマスコミから見れば検察との関係を深めておく必要があった。

検事からいかに情報を引っ張ってくるかが記事の優劣に表れてしまう。

そのため、検事とのあいだで良好な関係をどう構築するかがとても重要になってくる。

特ダネを抜かれてしまったら自分に対する記者としての評価に響く。

できる記者、できない記者というレッテルさえ貼られてしまう。

だから記者も必死なのである。

検察から情報を得るためには賭けマージャンでもなんでもやる。

そんな中で、検察は事件化したい案件があると、番記者にこっそりリークする。

それによって世論が形成され、検察が検挙しやすい環境ができる。

つまり昔から検察とマスコミとは持ちつ持たれつという関係があったのである。

検察の落としどころがリークだった。

立件は難しいが犯罪性としてはグレーゾーンのケースでは、とくに政治家がらみの案件でたくさんリークはある。

それを阿吽の呼吸で掲載してくれるメディアが必要であり、一昨年の朝日新聞のスクープにつながる。 

日産自動車の社用飛行機に東京地検特捜部が乗り込み、カルロス・ゴーン会長に任意同行を求め、その後に逮捕にいたる。

そんな急転直下の瞬間を撮った動画が当日の2018年11月19日に動画サイトの朝日新聞の公式ページにアップされた。

その直後に日産自動車は西川社長が記者会見を開く。

ここで最大のポイントは、逮捕劇の舞台となった羽田空港に特捜部以外に朝日新聞の記者がいたこと。

翌日の朝日新聞を見ると、その詳細がドキュメンタリータッチで書かれている。

これは実際に現場で見てきた人間にしか書けない。

検察が朝日新聞にリークして記者が現場に居合わせる。

つまり、特捜部にとって朝日新聞というメディアは数あるなかでも特別な扱いなのがわかる。

特捜部からすれば「朝日新聞が事件の流れをつくれば他紙もついてくる。それで世の中の評価が固まってくる」という考えなのだろう。 

昔は検察と記者のあいだには持ちつ持たれつの関係があった。

そういう関係であればお互いに絶対裏切らない。

運命共同体となって完全に特捜部の一員と化すわけだ。

メディアとしての影響力があり、ネタも共有できる。

そんな存在のマスコミが朝日新聞だったわけだ。

今回の黒川元検事長の賭けマージャン問題。

こんな流れを振り返ってみると、妙に納得ができてしまう。

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