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2020年6月12日 (金)

〈自分らしさ〉って何だろう/榎本博明

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 現代ではどうだろうか。こちらがある仕事に身を捧げようとしたところで、働き盛りの頃にはその仕事がなくなっているということだって、十分あり得るのだ。このような変動の激しい時代を生き抜くには、まさにプロテウス的な生き方が求められているのではないか。

プロテウスというのは、自分の姿をヘビやライオン、竜、火、洪水などに変幻自在に変えることはできるのに、自分自身のほんとうの姿を現すことのできないギリシア神話の海神の名前だ。

プロテウス的人間とは、環境の変化に応じて自分自身を変身させ、そのつど自己の可能性を最大限発揮しようとするタイプを指す。

このように一見すると一貫性がなく、バックボーンが欠けた人物は、変動の少ない伝統的社会の価値観からすれば、主体性がなく、安定せず、信頼できないといって否定的に評価されたはずだ。

しかし、現代のように変化の激しい時代では、環境の変化に応じて自分自身を変化させることが求められる。

環境が変化しているにも関わらず、過去の過去の自分にしがみついているようでは時代に取り残されてしまう。

現代の化石になってしまう。

「自分らしさ」が変化対応の足を引っ張ってしまうことにすらなってしまう。

今の時代に求められるのは、個人をひとつの道に封じ込めるような硬い「自分らしさ」ではない。

さまざまな可能性に開かれており、試行錯誤や方向転換を続けても壊れないような、いわば柔らかい「自分らしさ」をもつことなのではないだろうか。

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