« ちっちゃいおっちゃん/尾崎里美 | トップページ | 地上最強の男/百田尚樹 »

2020年7月21日 (火)

お金の流れでわかる世界の歴史/大村大次郎

Photo_20200716063801

 本当に歴史を動かしているのは、政治や戦争ではない。
 お金、経済なのである。 お金をうまく集め、適正に分配できるものが政治力を持つ、そして、戦争に勝つ者は、必ず経済の裏付けがある。
 だからこそ、お金の流れで歴史を見ていくと、これまでとはまったく違う、歴史の本質が見えてくるものなのだ。

世界で最古のお金というのは諸説あるが、中国の殷王朝が紀元前1600年ごろ、貝を通貨の代わりにしたのが始まりだとされている。

一方、貴金属によるコイン状の貨幣がつくられたのは、紀元前670年ごろ、リディア王国においてだとされている。

世界史の中で、お金、富、財がどう蓄積され、どう流れていったのか、それが本書のテーマだ。

たとえば、ナポレオンが強かったのは、他国に比べてフランス軍の費用が安かったからだ。

他のヨーロッパ諸国は、傭兵による高額な軍隊を使っていた。

それはどこの国にとっても重い財政負担になっていた。

だがナポレオンは、徴兵制の導入により、安い費用で大きな軍隊を動かすことができた。

ただ、徴兵制により、軍事費が格段に安くなったとは言え、ヨーロッパ中に兵を繰り出すようになると、相当な戦費が必要となってくる。

武器や食糧などの調達に、多額のお金がかかってくるからだ。

しかし、それだけのお金を調達する手腕が、ナポレオンにはなかった。

ナポレオンは軍事的には天才だと言われているが、財政面ではまったくの素人だった。

財政面で苦境に陥るとともにナポレオンは力を失っていく。

古今東西、国家を維持していくためには、「徴税システムの整備」と「国民生活の安定」が、絶対条件。

国の栄枯盛衰には一定のパターンがある。

強い国は、財政システム、徴税システムなどが、しっかりと整っている。

そして国が傾くのは、富裕層が特権をつくって税金を逃れ、中間層以下にそのしわ寄せがいくときだ。

だから国を長く栄えさせようと思えば、税金を逃れる「特権階級をつくらないこと」だといえよう。

« ちっちゃいおっちゃん/尾崎里美 | トップページ | 地上最強の男/百田尚樹 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事