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2020年7月31日 (金)

親中派の噓/櫻井よしこ

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 既存のメディアの歪曲報道や捏造報道はまだまだたくさんあります。「慰安婦問題」や「南京大虐殺」がどれほど、日本を貶めたかは、いまさら指摘するまでもないでしょう。
 何があっても日本が悪い、政府が悪いという視点から報道する大手メディアの所為で、日本は異常な国になり果てています。 

コロナ禍で今、世界は大変なことになっている。

感染拡大がなかなか収まらず、各国でロックダウンが行われ、経済も大きなダメージを負った。

そうなってしまった原因は何といっても中国の隠蔽体質にある。

周知のように武漢ウイルスに対して中国共産党政権は当初、何の危機感も抱いておらず、武漢市当局はウイルスに感染した患者の発生を隠した。

他方、原因不明の肺炎患者の発生を重大事と受けとめた医師、李文亮氏は2019年12月30日、「華南海鮮市場で7名がSARS(重症急性呼吸器症候群)に罹り、我々の病院の救急科に隔離されている」とグループチャットで発信した。

李文亮氏はその発信を咎められ、事情聴取を受け、「違法問題」に対する「訓戒書」に署名させられた。

さらに中国はWHOに強い圧力をかけて、1月22~23日の会議で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送らせた。

当該ウイルスのヒトからヒトへの感染は限定的だなどの誤った情報まで出させ、結果として国際社会にウイルスを広げた。

WHO事務局長のテドロス氏は「中国の講じた大規模な感染予防・抑制行動によって世界はより安全になった」などとも語った。

WHOのテドロス事務局長は中国の代理人と言われても仕方がなく、WHOは中国の意のままに動く専門機関になってしまった。

WHOを信じて従った国は、日本やスペイン、イタリアなど、みんな酷い目にあった。

一方、WHOの言うことを聞かなかった台湾は、素早く中国本土からの入国禁止措置を取った。

コロナ禍を通して明らかになったことがある。

それは中国の野望である。

そして今、アメリカとの対立があからさまになってきた。

アメリカが危機感を強める一つの大きなきっかけとなった中国の長期国家戦略が「中国製造2025」だ。

その中で掲げられている重点分野は次の10項目。

1 次世代情報技術(半導体、次世代通信規格「5G」)

2 高度なデジタル制御の工作機械・ロボット

3 航空・宇宙設備(大型航空機、有人宇宙飛行)

4 海洋エンジニアリング、ハイテク船舶

5 先端的鉄道設備

6 省エネ・新エネ自動車

7 電力設備(大型水力発電、原子力発電)

8 農業用機材(大型トラクター)

9 新素材(超電導素材、ナノ素材)

10 バイオ医薬・高性能医療

中でも1の次世代情報技術にアメリカは危機感を持っている。

中国は現在、半導体の世界最大の消費国だが自給できていない。

海外から輸入している。

中国は半導体の世界最大の輸入国なので、これでは構造的に弱い。

だからアメリカに半導体をストップされると自分たちは干上がってしまうと危機感を持っていて、半導体の自給率を高めていこうとしている。

中国がなぜこの5Gを、すべて自前でやろうとしているか。

それはアメリカとの覇権争いをしようとしているからだ。

習近平政権のスローガンは、「中華民族の偉大なる復興」であり、アメリカを倒して世界一位になること。

中国がアメリカに唯一勝てるのが、実はインターネットの世界だ。

最近は、中国が「制網権」、つまりインターネットを押さえるとしている。

これからの戦争は、「制空権」「制海権」「制宇宙権」よりも、「制網権」が重要だからだ。

戦争が始まる前に相手の軍のネットワークを全部壊してしまえば、戦争に勝ったようなものと言える。

その「制網権」を取るために中国は、中国仕様の5Gを世界中の国に売りつけてインフラ整備をし、主導権を取ろうとしている。

これは他の軍事産業よりかなり安上がりで、しかも効果が上がる。

そういう意味で近年、中国が5Gにものすごく力を入れている。

中国では2017年に「国家情報法」という法律ができた。

企業も個人も、求められたら、共産党政権に情報を提供しなければならないという法律だ。

だからファーウェイのCEOがいくら共産党には情報を提供しないと言っても、この法律の下ではいつ、どういう形でファーウェイが取得したデータが北京の共産党政権に押さえられるか分からない。

この構造の中で、5Gが広がっていることが問題なのだ。

だからアメリカがファーウェイを問題視しているのは当然だ。

重要なのは、いまの時代は安全保障問題が色濃く出てきているということ。

経済と安全保障が一体化した経済安全保障ということばが出てきた。

ところが日本企業の経営者は、かつての経済と安全保障が別々だった世界、これでビジネスがやれていた時代と同じメンタリティーでいる。

いまや経済と安全保障は一体化しているとの認識を経営者自身が持つべきだろう。 

本書で櫻井氏は二つのことを言っている。

第一に、これまで親中派が言ってきたこと、中国に対してはあくまでも宥和的姿勢で接することで関係はうまくいくというのは間違いだということ。

中国とよい関係を保つには常にこちら側が我慢して慎まなければならないという親中派の主張は間違いだということだ。
 
第二にいま人類は、確実に守るべき最も大切なものは何かという点で、これまでの道を振り返り、進むべきはこの道だということの確認作業に入っているということ。

中国共産党のように情報を隠し、カネの力と軍の力で支配する国家であってはならないと、多くの人々、民族、国々が考え始めている。

日本はこの局面で日本の歴史を振り返り、私たちは何者なのか、どんな国柄だったのかを想い出し、長い伝統の善き価値観を認識し、それを未来に向けての力とすることだ。

もはや安全保障はアメリカ、経済は中国というご都合主義は通用しない時代に突入したという認識を持つべきだろう。

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