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2020年7月24日 (金)

MMT/井上智洋

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 アメリカのMMT派経済学者でニューヨーク州立大学教授のステファニー・ケルトン氏は、来日した折に日本経済について問われて、「消費税を増税すべきではない」と発言していました。他のMMT派経済学者も、問われれば恐らく同じように答えるでしょう。 

昨年、消費税が10パーセントに引き上げられた。

それを機に経済がおかしくなった。

さらにコロナが追い打ちをかけた。

それが今の現状であろう。

消費税を上げることが良かったのかどうか?

それには様々な議論がある。

しかし、今注目を集めているMMTでは消費税の増税には否定的だ。

MMTは Modern Monetary Theoryの略で日本語に訳すと「現代貨幣理論」となる。

MMTでは過度なインフレにならないかぎり財政支出をいくら増やしても問題はないと主張する。

MMTによれば、円を発行することのできる日本やドルを発行することのできるアメリカでは、財政破綻することはあり得ないという。

実を言うと、「自国通貨建てで借金をしている国が財政破綻することはない」というのは、経済学的にごく当たり前のことを言っており、MMTの専売特許というわけではない。

他ならぬ財務省が「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」(財務省ホームページ)と述べている。

国が借金をしていると言っても、国が返す円というお金自体を国が発行しているわけだから、国がお金を返せなくなるという事態は、発生し得ない。

雑な言い方をすれば、国がお札を刷って借金の返済や利払いに充てればよいわけだ。

このように、MMTは主流派経済学者であっても受け入れざるを得ない単なる事実をいくつも唱えている。

MMTは、拡張的財政政策を採用して借金を増やすのが正しいのか、逆に緊縮的財政政策を採用して借金を減らすのが正しいのか、という国の命運を左右するようなテーマに関わっている。

MMTがすべて正しいとは思わないが、緊縮的財政政策一辺倒ではなく、様々な角度で日本の財政を考えるべきではないだろうか。

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