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2020年7月 5日 (日)

統計的な?数字に騙されないための10の視点/アンソニー・ルーベン

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 アンケート調査でどのような質問をされたのかがわかるかどうかを確認しよう。評判のいい調査会社であれば、それはすぐに見つかるはずだ。路上で誰かに呼びとめられてそんな質問をされたら、その意味がはっきりわかるだろうか。あるいは、あいまいだろうか。特定の答えを出すように仕向けられているかもしれないと感じるだろうか。「愛らしくて、ふわふわで、美しくて、かわいい子猫は好きですか」と訊かれたら、「猫についてどう思いますか」と訊かれたときよりも、猫に対するポジティブな気持ちを込めた返事をしてしまう可能性は高い。

統計的な数字はあらゆる場で出てくる。

世論調査による政権の支持率、失業率、平均賃金、野球のバッターの打率、投手の防御率・・・

世の中、統計数字であふれている。

そして、それを判断の基準にすることが多い。

2割バッターよりも、3割バッターの方がおそらくいいバッターだろう。

年俸も高いことが多い。

その意味では「数字はウソをつかない」といえる。

しかし、「数字にウソをつかせる」こともできる。

BBCの古典的コメディ番組〈イエス・プライム・ミニスター〉にこんなシーンがある。

老練の事務次官サー・ハンフリーが、若く経験の浅い秘書官のバーナードに、若者には生活のなかで規律や管理が必要だと思うかについて一連の質問をする。

それは、徴兵制を再開すべきかどうかという質問に持っていくためだった。

それから、若者たちの意思に反して武器を持たせるべきか、あるいは武器を与えて殺しかたを教えるべきかという一連の質問に移り、それも徴兵制の質問につながるものだった。

バーナードは徴兵制は再開されるべきであることにも、されるべきではないことにも同意していることになって、サー・ハンフリーはそれを「完璧にバランスのとれたサンプル」だと語った。

バーナードは先に訊かれた質問によって、最後の質問に賛成するように誘導された。

世論調査が特定の方向に回答者を導こうとしていることはよくある。

新聞各社の世論調査でも、特定の結論に導こうと意図した質問がみられる。

例えば、「〇〇の法案を強行採決した安倍政権を支持しますか?」と問われれば、「支持しない」と答える確率は高くなる。

「ウソつきは数字を使う」ことを知るべきだろう。

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