「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」/上村紀夫
マイナス感情の恐ろしいところは、個人レベルで蓄積するだけでなく、組織全体にも蓄積していくところです。
業種や業態等により、組織の病巣はそれぞれ異なる。
しかし、それらを生み出す原因は共通してる。
それは何か?
「マイナス感情の蓄積」である。
マイナス感情とは、端的に言えば「不満や不公平感」。
怖いのはこのマイナス感情は個人にとどまらず、放置していると伝染してしまうということ。
その意味でウイルスの感染に似ている。
マイナス感情の蓄積は次のようなメカニズムとなる。
まず、個人のココロにマイナス感情が生まれる(感染)
次に、マイナス感情が蓄積し、離職やメンタル不調などの症状が出る(発症)
最後に、周りのメンバーに影響し、組織全体にマイナス感情が蓄積する(伝染)
このような経路をたどる。
ただ、ウイルスと違うのは、放置していても決して治らず、ますます状況は悪くなるということ。
組織の病巣は、闇雲に施策を打っても切除が難しい。
組織の課題をどうにかしたいと手を打つ際には、その課題の表面的な部分だけに着目するのではなく、
第1に、組織が病んでいくそもそものメカニズムを理解し、
第2に、組織の「病巣」を切除する方法を定めていく、
この2つのフローを着実にこなすことが一番の近道と言える。
本書はその方法論について様々な事例が示されている。
これは非常に参考になる。
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