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2020年7月19日 (日)

傾聴のコツ/金田諦應

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 「傾聴」では、相手が語ることに対し、まずは「全肯定」します。
 どんな理不尽なことでも、非論理的なことでも、最初は肯定してあげるのです。

相手の話を聴くこと。

これは意外と難しい。

一度、傾聴の研修を受けたことがあるのだが、本当に難しいし奥が深いと思った。

傾聴では相手の話を決して否定しない。

すべてを肯定する。

相手の話を「全肯定」するときに、聴く側は「自己否定」をすることが必要だ。

傾聴の場は、善・悪を判断をする場ではない。

相手のいうことを、まずは「そのまま」「あるがまま」に受け止めて、共感なければならない。

これが難しい。

どうしても自分の意見を言いたくなる。

それをグッとこらえて聴くのである。

話の途中で口をはさみたい気持ちが起こったら、自分の心のどこかに、「相手が間違っている」「相手に教えてあげよう」「相手を導いてあげよう」という気持ちがないか、点検してみることだ。

傾聴では「待ち続ける」ことが何よりも大切。

「待つ力」をつけるためには、口をはさみたくなるのをグッとこらえること。

そのことに尽きる。 

ナチスの強制収容所での経験を書いた『夜と霧』の著者である、ヴィクトール・E・フランクルは「ロゴセラピー」という心理療法を提唱した。

ロゴセラピーではそれぞれの人間の人生には独自の意味が存在していると考え、その人の持っている「レジリエンス」(自己再生能力)を徹底的に信じる。

自分を再生させていく能力に対する絶対的な信頼。

必ず人間は生老病死のその苦しみの中で生きるのだけれども、その苦しみを背負って歩いていける。

そういう能力を持っている。

人間ってそういうものなんだ、という絶対的な確信を持って傾聴にあたることが必要。

もはやこれは「信仰」の領域といってよい。

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