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2020年8月 9日 (日)

認知症の人の心の中はどうなっているのか?/佐藤眞一

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 何度も同じことを尋ねるのは、それがその人にとってとても大事なことであり、気になっているからです。
 ところが、認知症になって物事を記憶する力(記銘力)が衰えると、自分がさっき同じことを尋ねたという事実を、覚えていません。大事なことだから気になっているのに、どうなっているかわからないから、不安になって尋ねる。この繰り返しです。

認知症の高齢者(65歳以上)は、厚生労働省の調査によれば、2012年には462万人だったが、団塊の世代が全員後期高齢者(75歳以上)になる2025年には、約700万人になると推計されている。

これは、65歳以上の人の5人に1人の割合。

私の実母も85歳だが、認知症の症状がところどころ出てくるようになってきている。

何度も同じことを尋ねるなど、そんな症状も出てきた。

そんなことがあって本書を読んでみた。

自分で決めたことを自分でできない。

自分の行動を自分でコントロールできない。

これが自律の失われた状態であり、人にとって、非常につらいことだ。

なぜならば、人は本来、自律的な存在だから。 

認知症の人は、この自由が奪われた腹立たしさ、自己決定できないつらさが、日常のすべてにわたって起こってくる。

しかもそれは、ほかの誰のせいでもない、自分の病気のために起こる。

自分で自分をコントロールできないこと。

その原因が自分の内部にあること。

他者に依存せざるを得ないこと。

それらすべてが、誇りを持って自律的に生きてきた自分の身に起こる。

まず認知症とはどのようなものか理解して接することが大切なことではないだろうか。

自分もそうなってしまうかもしれないのだから。

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