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2020年8月18日 (火)

人に頼む技術/ハイディ・グラント

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 私たちが何かをしようとするときは、成功する可能性の見込み、と成功したときに得られるもの、の二つが動機として作用しているのです。
 この理論を〝助けを求めること〟に当てはめると、私たちが誰かに頼み事をするときの動機付けは、相手が「イエス」という確率と、どのような質の助けを得られるかという二点についての予測の産物であると言えます。そして、私たちはこの二つをどちらも過小評価しているのです。

人に何かを頼むのは勇気がいる。

ほんのわずかであっても、〝人に助けを求める〟という考えを頭に抱くことは、私たちをひどく不快にする。

研究によって、それは肉体的痛みと同じくらい現実的な「社会的痛み」を引き起こす可能性があることがわかっている。

誰かに助けを求めるのは難しい。

不器用でぎこちない。

また、遠慮がちな頼み方は裏目に出やすく、相手に助けてもらえる可能性を低くしてしまう。

つまり助けを求めることに消極的だと、必要な支援を得られなくなる。

うまく人の力を借りるには、相手に〝助けよう〟という動機を持たせるための小さな合図である、「人を動かす力」を理解する必要がある。

これを実践できると、周りから助けてもらいやすくなる。

助けを求める人は、相手が助けてくれる可能性を過小評価する傾向がある。

これはとても価値のある事実だ。

なぜなら、私たちが想定しているよりも、人から助けてもらえる可能性は高いということだからだ。

何かを頼まれたとき、「ノー」と答えるのは大きな苦痛を伴う。

そのため、一度目に断った相手から二度目の依頼をされたときには、「イエス」と答える確率が上がる。

連続して「ノー」というのは、それほどまでに心苦しいことなのである。

「認知的不調和」のために、一度「イエス」と言った相手からの依頼には「ノー」と答えにくくなる。

「私は人助けをする、親切な人間だ」という自己認識を保ちたいと考えるからだ。

これらはすべて、助けを求める人にとっては良い知らせである。

誰かに助けられると、複雑な感情が生じることがある。

結果として、助けを求めることで、相手に良くない印象を持たれたり、能力がない人間だと見られたりしないかと躊躇してしまいがちになる。

だが研究によれば、人は、助けた相手にそれまでよりも強い好意を抱くようになることがわかっている。

助けることは、助けた側にさまざまなメリットをもたらす。

気分が高揚し、温かい気持ちになり、世の中を良い場所だと思えるようになる。

誰かの助けを求めようとするときに、必要以上の気まずさを覚えるべきではない。

頼み事をするときには、不安な気持ちでいっぱいになるものだ。

適切な方法をとれば、それは頼まれた側にとって、自分自身や依頼者に対してとても良い感情を抱く機会になる。

つまり、人は頼まれることを決して嫌なことだとは思っていないということ。

必要な時には勇気をもって助けを求めることだろう。

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