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2020年9月 6日 (日)

人事屋が書いた経理の本/協和醗酵工業㈱

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 会計とは、一言で言えばフロー(ながれ)とストック(のこり)の関係をつかむことである。

会計は、フローの集合をP/Lとして、ストックの集合をB/Sとしてつかまえる。

B/Sは「バランスシート」の略。

「期末に残っているもの」を集めたもの。

すなわち「期末ののこり」を表わす。

日本では「貸借対照表」とよび、「期末のストック」を表す。

P/Lはプロフィット・アンド・ロス・ステイトメントの略。

「期間中に入ってきたものと、出て行ったもの」を集めたもの。

すなわち「期間中の出入り総計」を表わしている。

日本では損益計算書と呼んでいる。

P/Lがながれ(フロー)を、B/Sがのこり(ストック)を表わしている。

これをもっとつっこんでみると、P/Lは単なる“ながれ”でなく営業活動の1年間の“努力”。

つまり、どれだけの費用を使ってどれだけの収益を上げたかをまとめたもの。

B/Sは単なる“のこり”でなく、その努力の積み重ねでできた企業の“体格”。

つまり、次の営業活動に備える経営基盤と財務体質を期末の一時点でレントゲン写真に撮ったものといえる。

努力の成果で体格ができ、その体格を使って努力し……という具合にリサイクルしている訳である。

そこで問題はこのカネの運用の中身だ。

資産という形で寝ているカネが、営業活動に必要な規模であって、どんどん回転して利益獲得に貢献してくれれば、資金繰りは楽になる。

ところが資産は油断すると、ぜい肉がつきどんどんカネが寝てくる。

ぜい肉質になって膨大な資金が固定化しているのに気づかないと、利益は上がっていても、現金は不足し身動きがとれなくなる。

利益を増やすことと、資産の回転を上げることが資金繰りの戦略になる。

そしてこれはB/S戦略そのものである。

本書は、マネジメント・ゲームの講義マニュアルである。

会計をまったく知らない人にも、様々な視点で経理の基本を学ぶことのできる入門書として最適だ。

企業研修でも使えるのではないだろうか。

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