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2020年9月28日 (月)

マネジメント ドラッカー/上田惇生

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 人のマネジメントにかかわる能力、たとえば議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。スキルの向上や仕事の理解では補うことのできない根本的な資質が必要である。真摯さである。

本書はドラッカーの膨大な著書を「マネジメント」を軸に短くまとめたもの。

「マネジメント」という言葉をそのまま訳せば「管理」「経営」などの意味だが、ドラッカーのマネジメント論をひと言でいえば「人と人とが成果をあげるために工夫すること」

ということは、そもそも人を感動させるもの。

人と人が一緒に働いていれば、必ずそこには感動の種が存在する。

ドラッカーの思想の根底には「人間の本当の幸せとは何か?」という大きな命題が横たわっている。

それをふまえた上で、よりよい社会をつくっていくための組織、企業のあり方について書かれたのが『マネジメント』なのだ。


ドラッカーは「本気で取り組む仕事は、ワクワクしていてしかるべきであって、そうでないものには取り組むべきではない」と考えていた。

さらにドラッカーは、「ワクワクしながら、意気込みを持ってやるような仕事でなければ、お客に対して失礼だ。

そうでないものは思いきって止めてしまうか、その仕事を熱意を持ってやるところとコラボレーションしたほうがいい」とアドバイスしたという。

ドラッカーは企業の目的の定義はただひとつ「顧客を創造すること」にあると主張する。

顧客の創造とは、お客に求められているものを創造すること。

すなわち、お客の潜在意識のなかには需要があるのにまだ商品やサービスとして形になっていないものを提供することを意味する。

そして、顧客が必要としているもの、顧客が求めているものは何なのかを第一に考えるということがマーケティング。

それさえきちんと理解して経営を続けていれば、販売活動などやらずともモノは自然に売れていくとさえ言える。

少なくともそれが理想だ。

もっと分かりやすく言うならば、企業側が「何を売りたいか」ではなく、顧客が「何を欲しているか」、それを考えるのがマーケティングだ。

ドラッカーのこれらの考え方と言葉、時代を超えて感動を与えるのは、物事の本質をとらえているからだと思う。

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