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2020年10月 1日 (木)

ゲームにすればうまくいく/深田浩嗣

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「ゲームにする」とは、いいかえれば、「自社の製品やサービスを提供する本来のビジネス活動全体のなかに、ゲームの要素を入れていく」ことです。お客様に自社の魅力を伝える過程そのものを「ゲームにする」ことで、企業は長期的に利益を得られる仕組みを築くことができます。

多くのビジネスパーソンがゲームを活用しようと考え、「ゲームをつくる」ことをはじめている。

しかし、それはゲームの本質ではない。

「ゲームにする」ことで可能になるのは、むしろ「関係性の強化」。

「ゲームをつくる」のではなく「ゲームにする」こと。

それさえ覚えれば、企業と人との間をつなぐ新しい「関係性」のあるべき姿が見えてくる。

例えば、なぜハーレーダビッドソンは縮小する市場で新車販売台数を増やし続けられるのか?

オートバイの国内出荷台数のピークは1982年の約328万台。

そこからオートバイの出荷台数は右肩下がりで、2010年は約38台に減少した。

そのなかで、米国ハーレーダビッドソンの日本法人であるハーレーダビッドソンジャパンは、設立された1989年以降、ハーレーの国内における新車登録台数を2008年まで19年連続で伸ばしている。

なぜハーレーは縮小する市場で新車販売台数を増やし続けられたのか?

一つの理由は、「H.O.G.(ハーレーオーナーズグループ)」

ハーレーダビッドソンのオートバイを購入すると会員となることができる会員組織だ。

現在では世界131か国、100万人以上が会員となっており、世界最大のライダーズグループとなっている。

日本では1995年から「H.O.G.」がスタートし、現在の日本の会員は約4万人。

1969年に公開された米国の映画「イージー・ライダー」のなかで、主人公の男たちはハーレーに乗って気ままに旅をした。

ハーレーの「自由奔放」で「野性的」なイメージはこのころから多くの人に広まったといわれる。

そうしたイメージをそのままに、「H.O.G.」には、ハーレーダビッドソンに乗ることがライフスタイルや生き方そのものとなるようなゲームの要素が随所に見られる。

たとえば、同社の「マイレージプログラム」。

走行距離に応じて、ハーレーダビッドソン、オリジナルのTシャツやバッジなどがもらえる仕掛け。

3000マイル、5000マイル、1万マイル、2万マイル、3万マイル、5万マイル、8万マイルと、達成するごとにもらえるオリジナルグッズがグレードアップしていく。

10万マイルを達成したオーナーは「走りの殿堂」入りとして会報誌やウェブサイトでその栄誉を讃えられる。

オプション部品を買ってガレージにとじこもり「自分だけのハーレー」づくりに励むファンには「カスタムコンテスト」がある。

3か月ごとにWeb投票で入賞車を決めて、その入賞車からさらにチャンピオンを選ぶ「グランドチャンピオンシップ」もある。

入賞した人には愛車の写真を入れたオリジナルのデジタルフォトフレームがもらえるなど、モチベーションを上げる仕組みがたくさんある。

特に注目すべきなのは、ハーレーのたのしみ方として「走る」ことと「カスタマイズする」ことの二つがあり、そのどちらにも対応したプログラムが用意されていること。

それぞれのたのしみ方に対し、さまざまな形で可視化・目標要素が実現されている。

これだけみても利用者がもっとハーレーを好きになれるように、あるいはハーレー好きな人がもっと盛り上がれるように、ゲームの要素が組み込まれている。

ハーレーダビッドソンには、ハーレーに乗ることがライフスタイルや生き方となるほどの「世界観」がつくり込まれている。

創業100年を超える歴史のなかで蓄積されてきた、歴代ハーレーのモデル、それに搭載されてきたエンジンの形状や質感、排気音。オプション部品の組み合わせで無限に広がるカスタムのたのしみ。

店舗のデザインからWebサイト、会報誌、数々のイベントにいたるまで、ハーレーにまつわるあらゆるものが、その確固たる世界観を表現している。

ゲームにすることがいかに大切か?

ハーレーの成功事例をみてもそれは明らかだ。

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