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2020年9月 2日 (水)

吉田松陰「人を動かす天才」の言葉/楠戸義昭

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「自分は今、囚人となって、まさに獄中で死のうとしている。だが、私は志士の節操を心がけよう。溝や谷に落ちて死ぬことを恐れさえしなければ、命がこの牢獄で尽きても、少しも気にすることはない。かえって本望でさえある。このように、志をひとたび立てたからには、人に助けを求めることもなく、世に救いを願うこともない。自信を持ってこの天地を見渡し、過去と未来を見届けよう。何とも愉快なことではないか」

偉大な教育者といえる松陰だが、集ってきた百人近い塾生を教えたのは、わずか2年9カ月という短い期間にすぎない。

しかしそこで育った久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋、吉田稔麿、前原一誠などは明治維新の礎を築くことになる。

どうしてこんな短期間で塾生に決定的な影響を与えることができたのか。

それは松陰が単なる学問を教えるのでなく、生き方を教えたからだろう。

松陰は、学問とは学者になるためにするものではなく、それを実行するためにするのであると教え込んだ。

人間に最も大切なものは〝至誠(真心)〟であり、志を立てることが重要であると教育した。

「読書をせよ。だが学者になってはいけない。勉強は知識を得るためのものであり、人は行動することが第一である」

と語っている。

そして、「議論よりも実行を」が口癖であった。

学問とは、自分を見つめてその本質を知り、変化する時代を着実に読み取って、自分のものとし、自分が社会に対して何ができるか、何をなすべきかを導き出す案内人といえるだろう、という。

そして草莽崛起の人を望んだ。

草莽崛起とは在野から立ち上がるということ。

それを実践したのが高杉晋作であった。

奇兵隊はまさにその象徴だ。 

晋作は松下村塾で足軽、農民、医者の子たちが、藩士の子より往々にして優秀なのを見てきた。

そこで敵の虚をつく奇道を駆使して勝つために、身分を問わず、足軽、町人、僧侶など草莽の人々も参加できる奇兵隊を編成した。

身分の低い人々の力を借りて、当時保守派が握っていた藩政府を尊攘派が奪還し、幕府との四境戦争を勝ち抜く。

晋作の死後も草莽の力を借りて、ついに幕府を倒すことになる。

松陰の生き方であり志が日本を変えたということであろう。

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