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2020年9月 4日 (金)

神(サムシング・グレート)と見えない世界/矢作直樹、村上和雄

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 興味深いデータがあります。今から100年前、科学者の四割が神というものを信じていたそうです。その後100年、人類の科学技術は画期的に進歩しました。科学技術が進むと、神様などと言わなくても科学で理解できるのではないかと思ったわけですが、実はそうではなく、100年経ってもやはり四割くらいの科学者が神を信じているそうです。特にキリスト教国家であるアメリカで顕著だそうですが、ひょっとしたら今アメリカでアンケートを採ると、もっと高い比率かもしれません。

本書は現役医師の矢作氏と遺伝子の世界的権威である科学者村上氏が、科学の限界に触れ、宇宙と生命の神秘について語り合ったもの。

お二人に共通して言えるのは、科学に対する謙虚さである。


科学における一番の難問は、「神は科学で定義できるか」であろう。

今後、世界中の科学者がこの難問に取り組むと思われるが、そもそも人智を超える存在が神であるわけですから、結論から言えばこの難問は解けない。

神は根源的な存在であり「大いなるすべて」である。

宇宙物理学も遺伝子学も生化学も、20世紀はあらゆる科学が急速な進歩を遂げた。

科学者たちが最初に遺伝子の暗号解読を始めた頃は、遺伝子の暗号さえ解読すれば「命の謎」が解けるのではないかと思われていた。

DNAに書かれていないことはできないと思っていた。

ところが、いざ解読してみると、解読可能な部分は2%程度。

残りの98%はわからない。

A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)といった4つの塩基配列は、すべてわかったが、それが本質的に何を意味しているのかわからない。

現在までに解読できた部分は、せいぜい4、5%。

残りの95%は解読不能だ。

配列は読めたけれど、意味がわからない。

科学は日進月歩のスピードで進歩している。

では、この先科学が進歩すれば、人間のすべてがわかるのか?

必ずしもそうではない。

なぜなら、ある部分がわかれば、また別の「謎」が出現するからでだ。

なかでも一番よくわからないのが「命」であろう。

アインシュタインがこう言っている。

「宗教抜きの科学は足が不自由も同然であり、科学抜きの宗教は目が不自由も同然である」

この発想が、新しい時代を切り開く考え方となるのではないだろうか。

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