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2020年9月13日 (日)

「民族」で読み解く世界史/宇山卓栄

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 歴史のなかで民族が生きた社会や環境、文化や伝統の記憶は、否応なく民族の遺伝子に刻まれます。そして、それは民族の血統として後の世代に受け継がれていきます。潜在下に流れ続ける民族の「血の記憶」に対し、抵抗したり、粉飾したり、隠蔽したりすることはできません。民族の「血の記憶」は自然かつ必然的に表出されるものであり、それが民族固有の「雰囲気」となって現われるのです。

「人種」はDNAなどの遺伝学的、生物学的な特徴によって導き出されたカテゴリー。

遺伝学の観点から、過去にさまざまな人種の分類が試みられたが、現在では、コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイド、オーストラロイドの4大人種に分類することが一般的になっている。

それに対し「民族」は言語、文化、慣習などの社会的な特徴によって導き出されたカテゴリー。

「人種」が遺伝学上の生物学的な特徴による分類であるのに対し、「民族」は言語、文化、慣習などの社会的な特徴による分類。

例えば、インド・ヨーロッパ語族は「アーリア人」とも呼ばれ、もともと中央アジアを原住地としていた。

「アーリア」というのは「高貴な」という意味。

インド・ヨーロッパ語族は、紀元前2000年ごろから寒冷化を避けて大移動する。

西をめざした多数派は中東からヨーロッパへ、南をめざした少数派はインドへ侵入する。

インド地域に入ったインド・ヨーロッパ語族は現地のアジア系統の民族と混血し、暑い気候によって肌の色が黒くなり、長い歴史のなかで、私たちがイメージするような「インド人」となる。

南へ向かったインド・ヨーロッパ語族は紀元前1500年ごろ、インド先住民ドラヴィダ人を征服する。

彼らは先住民を支配するため、厳しい身分制度を敷く。

これが、有名な「カースト制」の始まり。

と、このように民族の移動が世界の歴史に大きな影響を与えている。

「民族」という視点で世界史を見ると新しい発見があり、面白い。

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