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2020年11月24日 (火)

武器としての会計思考力/矢部謙介

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 決算書は、経営の実態と独立して存在するものではありません。経営の実態は、必ず決算書などの会計の数字に現れます。いわば、決算書は会社の実態を映し出す「鏡」なのです。

会計思考力とは、会計を使って「経営の現実を読み解く力」プラス「経営の現実を変える力」

B/Sには、その会社の戦略や経営方針がよく表れている。

B/Sが示しているのは、会社の決算期の時点で、どのような方法で資金を調達し、その集めた資金をどう投資しているのか。

特に、純資産のなかでも特に分析を行なううえで着目すべきなのは、利益剰余金。

利益剰余金を見ることで、これまでその会社が大きな利益を上げてきたのかどうかを測ることができる。

B/Sを読むときには、次の3つの点がとても重要。

①一本一本の木(個別の項目)を見る前に、まず森(全体像)を眺めながらわかることと疑問点を整理する

②全体像を把握してから、大きな木(金額の大きい項目)に着目する

③B/Sと現実のビジネスのつながりを常に意識する

次にP/Lだが、P/Lにも、B/Sの場合と同じように読むときのコツがある。

そのコツをまとめると、次のとおり。

①まず、P/Lの全体像を把握する

②次に、販管費の内訳を金額の大きい順に見てビジネスの特徴をつかむ

③P/Lと現実のビジネスのつながりを常に意識する

しばしば、利益が出ているにもかかわらず、倒産してしまう「黒字倒産」という事例がある。

これは支払いに充てられる現金が不足するために起こる。

こうしたことから、会社の経営を分析するうえでは、支払いに必要な現金が十分足りているかどうかが非常に重要であることがわかる。

キャッシュ・フロー計算書では、こうした現金の動きを見ることができる。

キャッシュ・フロー計算書を分析するときには、その会社がキャッシュ・フローをどのようにバランスさせているのかを見ることが重要。

営業活動によってきちんとキャッシュを稼ぐことができているか、投資に対してどの程度キャッシュを振り向けているか、フリー・キャッシュ・フローをどのように配分しているのか、といった視点で見ていくとよい。

そのうえで、「安全性」「効率性」「収益性」「成長性」という4つの視点でみる。

安全性とは、倒産の可能性はありそうか?負債に対する支払い能力に問題はないか?という視点。

効率性とは効率的な経営ができているか?投入した経営資源が有効に活用されているか?という視点。

収益性とは、十分な経営成果(=利益)を上げることができているか?という視点。

成長性とは、高い成長力を持っているか?今後に向けた成長余力はありそうか?という視点。

決算書は数字の世界だ。

しかし、決算書を読み取ることで、様々な企業の実態が浮き彫りになる。

ビジネスマンにとって、会計思考力は必須のスキルといえるのではないだろうか。

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