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2020年11月12日 (木)

アメーバ経営/稲盛和夫

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 アメーバ組織は、小集団独立採算制のもとでそれぞれ活動をおこなうため、自由度の高い組織体といえる。それは、人に管理されて働くのではなく、自らが主体性を発揮して仕事に取り組むことで、自己の能力を高めていける組織である。

アメーバ経営とは、本書の著者、稲盛氏が京セラを経営するなかで、京セラの経営理念を実現するために創り出した独自の経営管理手法。

著者が経営の実体験のなかで創り出したのが「アメーバ経営」。

大きな組織を独立採算で運営する小集団に分けて、その小さな組織にリーダーを任命して、共同経営のようなかたちで会社を経営する。

このような経営手法を用いれば、会社の隅々にまで目が行き届き、きめ細かな組織運営がおこなえるようになるの。

そのため、それまで収益性が低迷していた会社でも、想像もつかないほどの高収益企業に変身することができる。

アメーバ経営では、会社の経営方針のもと、アメーバリーダーにその経営が任されている。

リーダーは小さな組織の経営者として、上司の承認を得ながら自ら経営計画を立て、実行の任にあたる。

そのため、アメーバ経営では、経験は短くても経営者意識にあふれるリーダーを育成することができる。

そのリーダーが中心となり、アメーバの構成メンバーは、自らの目標を立てて、それぞれの立場で目標達成に向けて最大限に努力する。

その結果、全員が目標達成に向けて力を結集する「全員参加経営」が実践できるのである。

アメーバ経営とは、組織を小集団に分け、市場に直結した独立採算制により運営し、経営者意識を持ったリーダーを社内に育成すると同時に、全従業員が経営に参画する「全員参加経営」を実現する経営手法なのである。

非常に移ろいやすいのも人の心なら、ひとたび結ばれると世の中でこれくらい強固なものもない。

アメーバ経営においても、人の心がベースとなっている。

人体に何十兆という細胞があり、ひとつの意志のもと、すべてが調和しているように、会社にある何千というアメーバがすべて心を合わせてこそ、会社は一丸となれるのである。

アメーバ経営は、小集団独立採算により全員参加経営をおこない、全従業員の力を結集していく経営管理システムである。

各組織を独立採算制で管理するには、損益計算が不可欠になる。

しかし、専門的な決算書では素人にとってわかりにくい。

そこで、会計知識を持たない人でもわかるように、損益計算書に工夫を加え、わかりやすくした「時間当り採算表」を作成した。

この「時間当り採算表」を使えば、小集団のリーダーは現場の採算管理を容易にできる。

「うちの部門の採算を高めていくには、この経費を減らさなければならない」とメンバーに指示することができる。

また、現場のメンバーも、この採算表であれば容易に理解できるから、すべての従業員が経営に参加することができる。

つまり、リーダーを育てると同時に、経営に関心を持ち、経営者マインドを持った従業員を社内に増やしていくことができる。

ただ、アメーバ経営は、世間でもてはやされているような経営ノウハウではない。

ただの経営ノウハウであれば方法や手順さえ学べばよいが、アメーバ経営はやり方だけを真似してみても、うまく機能しない。

その理由は、アメーバ経営は、経営哲学をベースにした、会社運営にかかわるあらゆる制度と深く関連するトータルな経営管理システムだからである。

アメーバ経営を実現するためには、全従業員が何の疑いもなく全力で仕事に打ち込める経営理念、経営哲学の存在が必要だ。

この理念や哲学を抜きにしてただ方法論だけを真似てもうまくいかないというのはその通りだろう。

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