「ひらがな」で話す技術/西任暁子
「人は〝ひらがな〟で話を聞いている」
実は、多くの人がこのことに気づかないまま、相手に伝わりにくい話し方をしてしまっているのです。
おもしろい話し方も、感動する話し方や説得力のある話し方も、すべては「わかる」から始まる。
わかりやすく話すために知っておくべき大原則。
それは、「人は〝ひらがな〟で話を聞いている」ということ。
ということは、大切なのは、自分の話が「相手にどう聞こえているのか」を徹底的に考え抜くこと。
「音」で聞いている相手の頭の中がどういう状態なのか、常に想像すること。
どんな言葉も相手の耳に「ひらがな」で一音ずつ届くのは同じ。
そこから、前後の流れを受け取ってようやく、本来の漢字の意味で理解することができるということ。
だから、気をつけたいポイントは次の三つ。
①丸い言葉を使う
目で見てわかりやすい言葉と耳で聞いてわかりやすい言葉は、同じではない。
漢字がすぐに思い浮かぶ言葉、あるいは、漢字にしなくてもわかる言葉が「丸い言葉」。
丸い言葉は、耳で聞いてすぐわかるので、聞き手もわかりやすいと感じる。
四角い言葉は意味がぎゅっと詰まっているので、それを「ひらく」のに時間がかかる。
一方、丸い言葉は意味が「ひらかれ」ていて、わかりやすい感じがする。
②句読点をつけて話す
ひらがなで聞こえている話には、「間」がとても大切。
だから、話す時にも言葉に句読点を打って話すこと。
③言葉の粒の大きさを変える
「話が単調だ」「聞いていると眠くなる」「飽きるから最後まで聞いていられない」
もし、こんなふうに言われたら、その問題は「言葉の粒」の大きさを変えることで解決する。
「言葉の粒」の大きさを意識すると、声の大きさも変わる。
伝えたい言葉ほど、目の前にひらがなが飛び出すくらい大きな粒をイメージして話すことが大事。
これが「ひらがなで話す」ために欠かせない三大要素といえる。
私たちは言葉を使って考える。
だから、自分の頭の中でふだん使っている言葉は、そのまま話す時にも出てしまう。
しかし、相手は「ひらがな」で聞いている。
このことは本書を読んてはじめて気づかされたこと。
大事なことは、自分の話した言葉が、相手にどのように伝わっているか、そのことを意識して話すことではないだろうか。
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