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2020年12月13日 (日)

いじめを克服する方法/岩田健太郎

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 アドホックな(その場限りの)根拠で自分の嗜好に合わない人物や行動は排除する。価値観や振る舞いを共有できない輩は排除する、合う人物とだけ仕事をする。こういう同調圧力や異論の否定は、特に危機管理のときに危険である。間違いがあっても誰も否定できず、そのままみんな揃って「滅びの道」、ということはよくあることだからだ。

日本は怒張圧力の非常につよい社会だ。

誰かがみんなとは違う意見を述べたとする。

その意見あるいは人を排除してしまうのが日本の社会の特徴だ。

仮に誰かが間違っていたとしても、「間違っていたから排除する」という理屈はおかしい。

そんなものは組織ではない。

それでは危機対応はできない。

このような異論を認めない、異端を認めない空気が、本書で述べる「大人のいじめの構造」だ。

大人の社会がいじめ社会だから、子供社会でいじめがなくなるわけがない。

みんなで一緒に地盤沈下していくのが同調圧力だ。

誰かが得するくらいなら、みんな揃って損をしたほうがまし、という非常にねじれた思考プロセスである。

クルーズ船内の感染を防御したら、みんなが得をしただろうに、気に入らない人物を排除することで、全員が感染リスクを高いままにしてしまう。

まさに「みんな一緒に地盤沈下」の論理だ。

このような同調圧力に抗うことだけが、新型コロナの抜本的な対応策だ。

これができるかどうか、「人と違う」ことに耐えられるかどうかが、日本がコロナを克服できるか、の最大の決定要素の一つになっている。

山本七平氏の著書「空気の研究」の同様のことを言っている。

日本を支配しているのは「空気」だと。

空気は読まねばならない。

しかし、忖度や「長いものには巻かれろ」の態度は良くない。

組織のなかで、組織を良くするための真のチームプレーは、「空気を読みつつ」「空気を読みすぎない」ことだ。

空気を読まないふりをする。

単に横暴な態度をとるのではなく、紳士的な振る舞いをしながらも、付和雷同しない。

こんな姿勢が大事なのではないだろうか。

「同調圧力」「空気」、日本社会を解くキーワードではないだろうか。

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