「ひとり起業」の強化書/天田幸宏
ドラッカーは『イノベーションと企業家精神』において、「企業家として成功するものは、その目的が金であれ、力であれ、あるいは好奇心であれ名声であれ、価値を創造し社会に貢献しようとする。その目指すものは大きい。すでに存在するものの修正や改善では満足しない」と述べています。
「ひとり起業」は人に雇われずに、自らで「事業」を行うことを指す。
「ひとり起業」の理想的な姿は、世の中のニーズをもとに新しい市場を創り出すというイメージ。
本書では「ひとり起業家による成功」を次のように定義する。
望む価格で買ってくれる顧客がいる商品やサービスの熱心なファンがいる。
ドラッカーは、「いわゆる、企業家と言われる人たちが失敗するのは、経営の基本と原則を知らないからだ」という意味のことを述べている。
逆にいえば、「経営の基本と原則」を習得すれば、成功の確率は高まり、失敗のリスクは減少するということ。
成功している起業家には事業の大小に関係なく、いくつか共通点がある。
①「強み」に基づいた事業を選択していること
②明確な「コンセプト」を打ち出していること
③変化する「顧客ニーズ」にきちんと応えていること
④「独自の市場」を築いて価格競争に巻き込まれないこと
⑤「理想の顧客」をつかんでいること
⑥顧客を巻き込んだ「コミュニティ」があること
⑦魅力あふれる「ストーリー」を語ること
まず最も大切なことは「強み」に基づいた事業を選択すること。
「強み=利益を生み出す源泉になるもの」と定義できる。
ドラッカーは「明らかになった強みに集中せよ」と述べている。
この「明らかになった」という部分がポイント。
残念なことに、成果をあげられない起業家の多くが「自分の強みが明らかになっていない状態」で事業を行っている。
ドラッカーは「成果は、有能さではなく市場におけるリーダーシップによってもたらされる」と述べている。
ここでいうリーダーシップとは、商品やサービスのリーダーシップのこと。
「強み」を明らかにするシンプルかつ最強の方法は、「顧客に聞く」こと。
確かに「強味」が思いこみになっているケースは多い。
自分の強みは何なのか?
「ひとり起業」はここからスタートすべきだろう。
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