片づけられない自分がいますぐ変わる本/大嶋信頼
「催眠状態で片づける自分」という暗示で、普段自分を縛っている暗示を解く。すると本来の自分の姿を見ることができるのです。ポイントは「目の前にないものを見ている時」です。
片づけられない人とは決して頭の悪い人ではない。
一般的には計算や記憶、物事を理解する力、というのが優れていると「頭がいい人」と思われる。
このような人は知能テストなどでいうところの「言語性知能」が発達している。
一方で、パズルを組み合わせるとか、優先順位をつけて仕事をこなす、ということが優れていると「優秀な人」と思われる。
このような人は「動作性知能」というものが優れている。
この二つの知能のバランスが悪い状態、つまり、どんなに「言語性知能」が高くても「動作性知能」が発達していないと優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまう。
買い物に行ったら必要なもの以外も買ってしまう。
これも優先順位がつけられないから起こってしまうこと。
「言語性知能」は理解力があり、算数、単語の暗記などが得意な人ほど発達しているという知能。
そして「動作性知能」は積み木を組み立てたり、探し物をしたり、仕事などの作業をする時に必要な知能。
このうち言語性知能だけが高いと「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」という感じで、やるべきことをたくさん考えられるが、その一方で「やるべきこと」が頭の中にたくさんたまってしまい、それに優先順位がつけられなくなってしまう。
つまり、動作性知能が言語性知能について行けないと「何から優先していいのかわからない」という感じで固まってしまって、動けなくなり、片づけができなくなる。
言語性知能が高くて、動作性知能がそれほどでもないと「細かすぎてよく見えず、ピースのどれとどれをくっつけたらいいのかわからない!」となってしまう。
ではそのような人が片づけられる人になるにはどうすればよいのか。
それは自己暗示をかけること。
片づけが苦手な人は「片づけを意識したらできなくなる」という自己暗示にかかっている。
タイミングは「片づけよう」と思って、「それができない」という自分を想像し催眠状態を作りだした時。
つまり、目の前に見えないものを見たその時が「暗示」が一番効くチャンスになる。
いつもだったら「思っているけどできないダメな私」という暗示を入れてしまうところを「催眠状態で片づけをする自分」と頭の中で唱えてみて暗示を入れてしまう。
すると、その暗示が催眠状態で見事に効果を発揮して、「あれ? 何も考えないでものを捨てているかも!」という感じになる。
この二つの知能である「言語性知能」と「動作性知能」のバランスが悪い状態になると、優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまうというメカニズムは初めて知った。
« 「行動デザイン」の教科書/國田圭作 | トップページ | ビジネスプロセスの教科書/山本政樹 »