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2021年2月 3日 (水)

楽しくなければ仕事じゃない/干場弓子

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 楽しいかどうかを決定するのは、起こっていることではなく、それをどうとらえるか、であり、その人の選択である。

楽しいことがあるから楽しめるのではなく、何でも楽しむと決めているから楽しめるのだ。

すなわち、楽しむのも能力である。

本田宗一郎さんの言葉だ。

「楽しい仕事はあるが、楽な仕事はない」

楽しいというのは、楽ということではない。

むしろ真逆かもしれない。

キャリアプランの最大の問題は、自分の可能性を、今の自分に限定してしまうことにある。

キャリアプランを立てるなら、選択肢を狭めるものではなく、広げるものにしてほしい。

チャンスはいつも、自分が思っていることの外にある。

いつもやっていること、いつも会っている人の外にある。

深く掘り下げることで、物事の本質に迫ることができる。

物事の本質に迫ると、他の分野の本質と共振することができる。

求められていることより、一歩踏み込む。

それがコツだ。

そうやって、与えられた仕事、やることになった仕事を、一つひとつ少しだけ深くやって、自分のものにしていく。

それが、深くて、広い勉強だ。

社会人の勉強の目的は、アウトプットにあるはずだ。

チャンスが「枠」の外にあるとしたら、楽しみは「枠」から追い出されたもの、あるいは、はみ出してしまっているものの中にある。

普通はそこまで踏み込まない最後の一歩。

そこを踏み込む。

それを実際にやる。

そして、やり続ける。

それだけのこと。

何であれ、一直線にほしいものにたどり着けるなんてことはめったにない。

たいてい回り道をするものだ。

その回り道こそが人生じゃないか?

一見、無駄に感じられる出会いが、のちに素晴らしい縁となったりする。

一見、無駄な勉強が、あとで役に立ったりする。

引き出しは多いほどいいのだ。

目の前のこと、やってほしいと求められていることに、まずは集中する。

じつは、そこに「好きになる」秘訣がある。

「好きになる力」を取り戻すもうひとつの方法は、その仕事の価値を考え、その仕事に価値を与えることだ。

仕事の価値は、人がつくる。その仕事に夢中になって、誇りを持っておこなっている人によって、つくられる。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの有名な演説。

「道路清掃人となるべき運命の人間は、ミケランジェロが絵を描くように、ベートーヴェンが作曲するように、シェークスピアが詩を書くように、道路を掃除しなければならない」

同じ状況の中でも、味わっている感情は違う。

それは、性格の問題ではなく、選択の問題だ。

セレンディピティは、思考の過程ではなく、実践の過程で生まれる。

いくら思っていても、行動に移さなければ、現実には影響を与えない。

相手には伝わらない。

少なくとも仕事の上では、アウトプットだけが評価の対象となる。

チャンスも、セレンディピティも、準備が整っている人のもとに訪れる。

思ったからといって必ず実現するとは限らないが、思わないことには、万が一にも実現しない。

サラリーマンのときから、オーナー社長のように考え、仕事に向き合っている人が、オーナー社長になるんじゃないか?

何かに夢中になれる人は、他のことにも夢中になれる。何にでも夢中になれる人がいる一方で、何をやっても夢中になれない人がいる。

夢中になるというのも能力だが、後天的に夢中にならないように教育されてきただけなので、練習次第で、回復させることができる。

夢中になっておこなったものだけが自分の力になる。

そして、次のステージに行ける。

まさに、恋も仕事も、「好き」と「情熱」で出来上がっている。

結果も大事だけれど、そのプロセス自体も楽しい。

人生は、そのチャンスを見逃すには、案外長い。

若いころに思っているより、短いようでいて、案外長い。

「わたしたち人間のすべての悩みは人間関係にあり、すべての幸福の源も人間関係にある」

これはアドラーの言葉。

「誰からも嫌われない」人生を選ぶということは、「誰からもとくには好かれない」人生を選ぶことであり、多くの人に好かれる人生を選ぶということは、それだけアンチも多い人生を選ぶということなのだ。

自己成長は、目的ではなく、結果なのだ。

過去は変えられる。

現在によって。

なぜなら、過去は(そして現在も)、すべて〝解釈〟だからだ。

事実は変えられないが、解釈は変えられる。

そして、わたしたちはすべて、事実を解釈することで生きているからだ。

もし、人生が「現在」が積み重なったものだったら、その現在を、起こってもいない「未来」に備えて、わざわざ暗いものにする必要はない。

今この瞬間、「幸せでいる」ことのほうが、遠い先に「幸せになる」ことより、ずっと必要なことなんじゃないか?

幸いなことに、今、幸せになることは、そんなに難しいことじゃない。先に書いたように、人生は「解釈」だから。

わたしたちの明日が変わることで、組織の明日が変わり、社会の明日が変わる。

視点を変える方法は三つある。

第1は、もともと先入観を持っていない領域のことをおこなうこと。

第2は、前提を疑う。「そもそも、それって何のためにあったんでしたっけ?」と、そもそもの目的に立ち戻ることだ。

第3は、逆張り!今流行っていること、みんながやっていること、思っていることの反対をいくこと。

要は仕事が楽しいかどうかは自分の選択だということではないだろうか。

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