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2021年2月20日 (土)

人を操る説得術/ニック・コレンダ

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 人間は操り人形だ。ひとりひとりにたくさんの糸がついていて、ある方向に引っ張られると、糸に導かれて気づかないうちに行動がそちらへ向かう。つまり、糸を操る方法がわかれば、相手の行動をコントロールすることもできる。

本書では、説得術を7段階からなる時系列のプロセスにまとめている。

だれかを説得して何かをしてもらおうと思ったら、本書で示す段階をそのとおりに踏んでいけば目的を達成することができる。

【ステップ1】認識を形づくる(MoldTheirPerception)

【ステップ2】行動と一致した態度を引き出す(ElicitCongruentAttitudes)

【ステップ3】社会的プレッシャーを与える(TriggerSocialPressure)

【ステップ4】メッセージを定着させる(HabituateYourMessage)

【ステップ5】メッセージをもっとも効果的に提示する(OptimizeYourMessage)

【ステップ6】モチベーションをさらに高める(DriveTheirMomentum)

【ステップ7】影響を持続させる(SustainTheirCompliance)

例えば、ステップ1の「認識を形づくる」

現実は客観的だが、現実の見方は主観的である。

人間を取り巻く現実はひとつしかないが、その現実をとらえて解釈するやり方は人によって違う。

要するに、人間のものの見方はレンズのようなもので、それを通して現実を解釈する。

そのレンズを変える方法がわかると、現実の解釈も変えることができる。

「プライミング」(ある考えを呼び起こすこと)は、スキーマあるいは思考様式を活性化させる手段である。

あるスキーマを活性化させるためには、そのスキーマと関係する言葉や概念に触れさせるだけでいい。

われわれの世界認識は、かなりの部分、周囲にあるプライムによって決定されている。

ターゲットにより柔軟なものの見方をさせようと思ったら、単純に「柔軟性のスキーマ」をプライムすればいい。

「柔軟」「弾力」「ゴム」「変化」といった、柔軟性と結びついた言葉に触れさせるだけで、柔軟なものの見方をさせられることがわかっている。

とても簡単だ。

単純なテクニックのひとつは、柔軟さを話題にした会話をするというものだ。

メッセージやリクエストを示す数分前に、新しいことをやってみたらそれがとても楽しかった、というようなことをさりげなく話す。

そんな単純な話でも効果が期待できる。

だれかが柔軟に行動したという何の変哲もない話をするだけでもターゲットのスキーマを活性化させるのに役立ち、その活性化が柔軟なものの見方を引き出す。

私たちは物事を理性で判断し認識していると思っている。

しかし、本書を読むと、それが単なる思いこみであり、幻想であることがよくわかる。

人間ほど騙されやすい動物はいないということであろう。

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